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NISHIDA
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あいさつの哲学

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あいさつの哲学

 世の中には、簡単なように見えて実は難しいという事柄があります。
 誰でも難なくできるはずながら、うっかりすればおろそかにしてしまう大切なこと…というのが存在するのです。
 その筆頭が、挨拶であろうと私は思っています。
 大きな声で「おはようございます」、「お疲れさま」、「行ってらっしゃい」の声を掛け合うこと。簡単なことなのですが、気が付けば挨拶の少ない仕事場になっている…ということがよくあるものです。
 それではいけない…。「まず第一に大きな声で挨拶しあう環境が大事である」と6月の月例会議の場でこんこんと説明し、さらに2週間後の全体朝礼でも念押しをするほど力を入れていました。

 ではなぜ挨拶が大事なのか。
 我々は不動産に関する様々な事業を展開している関係上、お客様やオーナー様に対しては、きちんと挨拶する習慣ができています。しかし、社員同士、仲間同士となると、つい声を掛け合うことを省略してしまったりするのです。挨拶したとしても、小さな声でおはようございますと言う程度で済ませてしまったりします。
 ところが、それではスタッフ間のコミュニケーションというものが希薄になり、気が付けば「気になってはいたけれど、つい注意しそびれて」「連絡しようと思っていたけれど、つい後回しになって」などという好ましくない状況が頻発するようになってしまいます。
 挨拶というのは、人間関係を作り上げるうえでの第一歩です。挨拶することで、互いの心の窓が開くのです。これは職場だけでなく、学校、地域、家庭、あらゆる社会に通じる真理で、役職の上下や年上も年下もなく、大きな声で爽やかな挨拶を交わしていくことが大事なのです。

 ここで私の考える職場における挨拶の効用というものを列記してみます。
 ●挨拶し合うと…
  「仕事上の悩みや困っていることについて相談することができます」
  「仕事上のアドバイスを気軽に話し合うことができます」
  「物事を頼んだときに相手が快く引き受けてくれるようになります」
  「社員やアルバイト、パートの垣根を超えて一体感を持つことができます」
  「若いスタッフが不安感から解放され、周りが助けてくれることを実感できます」
  「自分だけが大変な思いをしているのではないかと悩んでいるときに、別の視点を得ることができます」
  「会社全体が一丸となって元気よく躍進していることを実感することができます」

 これが私の考える挨拶の哲学です。
 挨拶は漢字で書くと挨拶ですが、音にして読むとあいさつです。日本語の五十音順では、筆頭にくる言葉です。これは非常に示唆的なことで、すべてに優先して大切な基本が挨拶であることを示しているのではないでしょうか。私はそんな気がしてなりません。
 今にして思えば、約四十年前のまだ若かったころに、先輩から「挨拶さえできれば一生食えるから」と言われたものですが、当時はあまり気にかけずに聞いていました。しかし、振り返ってみるとこの言葉のなんと重いことか。それほど挨拶は難しくて大切。すべての根本となる事柄なのです。

 そんなことを思いながら、今日も事務所に顔を出してみます。
 「お疲れさまでーす」。あちこちから元気な声が飛んできました。実に気持ちがよく、この雰囲気がずっと続いて欲しいと思いました。

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