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NISHIDA
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真夏のくやし涙

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真夏のくやし涙

不順な夏

毎年のことながら今年も「例年になく不順な」夏となりました。
年がら年中慌ただしく過ごしている私ですが、毎年お盆の時期にはしばしの休息の時間を持つことにしています。とはいえ空を見上げると、降ったりやんだりの空模様。勢い、自宅でテレビを見ながらの夏休みとなりました。

若い心泣く心

この時期のテレビはというと、やはり高校野球です。真っ黒に日焼けした球児たちがボールを追うさまは、かつて野球少年だった私には懐かしく、どこのチームであれ熱心に観戦してしまいます。全力を出して戦い、そして一方が勝ち、一方は負けて相手校の校旗が揚がるのを眺める。勝者側は爽やかな笑顔、敗者側はというと涙を流しながらの校旗掲揚です。恒例となった甲子園の砂を袋詰めする際にも、まだ涙が止まりません。
この涙は何だろうと私は考えます。大人になってかなりの時間が経った私は、これほどまでに泣くことはありません。何かに感動してじんわりと涙することはありますが、ここまで泣くことはできません。若いから、こうも泣けるのでしょうか。

努力の涙

そうこうしているうちに、別のチャンネルでは全米プロゴルフ選手権の最終日を放映しています。世界ランキング2位の松山英樹選手がトップ争いに食い込んで、初のメジャー制覇を目指して挑んでいる様子が映し出されています。静かながら手に汗握る展開が、画面のなかで繰り返されています。この日は1打差の2位タイからスタートした松山ですが、一時は首位に立ったところでミスが出てしまいます。結局、同じ組で回っていたジャスティン・トーマスが逃げ切って、あと一歩というところで優勝に手が届きませんでした。本当に惜しい。日本人初の快挙を目前としていただけに、見ているこちらもなかなか諦めがつきません。
 その松山選手にマイクが向けられると、本人は泣いていました。あと一歩で届かなかった悔しさが、後から後から涙となって出てくるようでした。タオルで顔を何度も拭いながら、泣いています。この涙の裏には、アメリカのどの選手よりも多く練習を重ねてきた、想像を絶するほどの努力があったはずです。それがあるからこそ、涙が途切れないのだということを、テレビを見ながら感じた次第です。

振り返って我が身のこと

私はこれほどの涙を流すことがあるでしょうか。答えはノーです。何かを目標に据えて努力して、必死の思いで頑張って、そこに届かず悔し涙を流すことがあるでしょうか。望まない結果が出たときに、涙が出るほどくやしい思いをしないというのは、もしかしたらそこまでの努力を行っていないからではないでしょうか。
努力すると、言葉で言うのは簡単です。でも、本当に限界の限界まで力を尽くしているのでしょうか。ああでもないこうでもないと頭をひねりながら切磋琢磨し、すべてを忘れるほど没頭し、これ以上はできないというところまで突き詰めて頑張っているのでしょうか。

企業運営のフィールドで

真夏の昼下がりに、高校球児と松山英樹選手の涙を見ながら、いま一度「努力」について思いを巡らせたひとときでした。この悔し涙が出るような努力を、私はグランドやグリーンではなく、企業運営というフィールドで展開していかなくてはと、心のなかで拳を握りました。

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