資産の売却に係る所得税と住民税

個人が資産を売って売却益がでると所得税や住民税がかかりますが、売却資産の種類によって計算の仕方が異なります。
不動産
不動産を売った場合は、まずその不動産の所有期間を確認します。5年以下であれば短期間処分として売却益の約40%という高い率の税金がかかります。所有期間が5年を超えれば、約20%の税金です。5年を超えるかどうかきわどい場合には、慎重な判断が必要です(所有期間は売った年の1月1日現在で計算します)。相続や贈与で取得したものは、被相続人や贈与をした者が取得した日から計算します。つまり前所有者の所有期間と自身の所有期間を合わせて計算します。売却損益は「売却代金−取得費−譲渡費用」で計算します。ここで注意が必要なのは、建物の場合には所有期間分の減価償却費を差し引く必要があります。買った時よりも安く売ったから売却益はでないと勘違いしないよう気を付けてください。同じ年に2つ以上の不動産を売った場合には、不動産ごとに売却損益を計算し、売却益と売却損がある場合は相殺できます。相殺後、売却損が残った場合には、他の所得とは相殺できずその年で打ち切りとなります。大きな売却損がでる年は、他に売却益がでる不動産が無いか検討してみましょう。
株式など
株式や投資信託を売った時は、上場分と一般分のいずれに該当するか確認します。税率はいずれも約20%です。売却損益は「売却代金−取得費−売却手数料」で計算します。相続などで取得したものは不動産と同じように被相続人などの取得費を引き継ぎます。同じ年に2回以上売却した場合には、売却ごとに売却損益を計算し売却益と売却損がでた場合には相殺できます。
ただし上場分と一般分の区分をまたいでの相殺や、不動産などの売却益との相殺はできません。また上場分の売却損は3年間繰越できます。
その他の資産
上記以外の資産を売却し売却益がでたときは、給与所得や事業所得など他の所得と合算して、所得の金額に応じて約15%〜56%の税率による税金がかかります。売却損がでた場合には他の所得と相殺できます。
このように資産の種類によって売却による税金の仕組みが異なっています。
岡 実 税理士プロフィール
岡税務会計事務所 所長税理士登録 | 昭和58年3月 |
所属 | 東京税理士会 蒲田支部 |
TEL | 03-3735-3820 |
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