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酷暑のなかのクールダウン

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酷暑のなかのクールダウン

早すぎる梅雨明けに驚いたのも束の間、7月の暑さは驚愕のひと言でした。 

 連日報道される最高気温更新のニュースに得体の知れない不安が増していき、ついに都内で40℃超えの箇所が出てきたとの情報に、絶句してしまったのは私だけではないはずです。さらに、気象庁が「この暑さは命に危険があるほどのもので災害である」として緊急会見を開き、経営者としてはスタッフの健康安全に何よりも配慮しなければならない事態となりました。 

 われわれの業務の中心は、オーナー様からお預かりしているアパート、マンションなどをいつも良好な状態に保ち、いつでもお客様に心地良く借りていただけるように準備しておくことです。そのためには現地に足を運ばなければならず、現地で作業しなければなりません。くれぐれも無理せず体には気をつけるようにと言い渡して、スタッフたちを見送る日々が続いています。 

 そうして自分のデスクに座り腕組みをしてつらつら考えるに、どうにもビジネスを巡る未来に悲観的になってしまう自分がいます。

豪雨災害の陰で

 世界各国で発生する災害に、保護主義に傾きつつある世界経済。国内に目を移すと、膨れ上がった借金に追い打ちをかける大災害、一方で国内の人口は減少を加速させ未来は先細り傾向、現在の国内経済も米中ほどの好調さには程遠く…と、マイナスの要因ばかりが頭に浮かんできます。 

 そんななか、スタッフの行動のちょっとしたことでイライラが募り、思わず大きな声を出してしまう日々が続いています。気候のせいだとは思いたくないのですが、思うように事が運ばない現実にいら立つことが増えたのも事実です。 

 7月に発生した豪雨災害の陰に隠れてすっかり忘れ去られてしまった感がありますが、つい最近そんな自分に反省を促してくれた素晴らしいニュースがありました。うまくいかないことが多い世の中にあって、この奇跡的な救出劇は月並みな表現ですが、われわれに勇気を与えてくれました。

若者が教えるリーダーの在り方

 それは、タイの洞窟内で13人もの少年たちが閉じ込められた末に、全員が無事に生還したという一件です。 

 世界各国から集まったというレスキューの専門家たちが見せた救出作戦は実に見事で、当初救助までに数ヶ月かかるとか、雨期が来るので困難を極めるなどという評判を覆す鮮やかな救命劇に、世界から喝采が集まったものです。 

 もちろん、この作戦の成功には大きな拍手を送りたいのですが、それにも増して私が感心したのは、サッカーチームの少年たちを指導していた25歳という若さのコーチのことです。彼は洞窟の奥に避難してからダイバーたちに発見されるまでの9日間を、12人の少年たち全員をパニックに陥らせることなく励まし続けて生存させました。天上から滴り落ちる水を飲ませながら、食べ物が何もない真っ暗闇の洞窟のなかで、9日間子どもたちを守り抜いたその精神力とリーダーシップに、私は大きな感動を覚えました。 

 果たして自分がその立場に立った時に、彼のように少年たちを導いていくことができるだろうかと考えると、彼の人間としての大きさを感じるばかりです。このように困難な状況のなかで、適切な指導を行い、絶望せずきちんと望みをつなぐように導いていくのは至難の技です。 

 それをやってのけた25歳の若者というのは、これはまさに英雄であろうと思うわけです。 

 それに対して、多様な不安を消化できず、ついつい大声を出してしまう自分というのはと考えると、穴に入りたい気持ちになります。これでは、困難な状況を会社が一丸となって乗り切っていくことは到底できません。リーダーたる者、厳しい状況にあればあるほど、自分を律して物事に対処していかなくてはならないと、彼の姿を見ながら倍以上も年上の私は考えたものです。 

 

 

 右肩下がりの時代を迎えて、ビジネスの世界ではかつてない大波にもまれる時代に入ってきています。 

 荒波を乗り切るには、強く正しいリーダーシップと固いチームワークが何よりも大切なことを、改めて心に刻んだことでした。

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