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NISHIDA
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夢物語の続き

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夢物語の続き

 新しい門出を祝うように、桜の花がベストタイミングで咲き始めました。

 今年は暖かい冬だったので開花の予報は勇み足気味だったのですが、三月の終わりに気温がぐっと下がって、蓋を開けてみると入学式を狙ったかのような桜の開花となりました。

 薄桃色の花が見事に咲き乱れるさまは本当に華やかで、やはり心が浮き立ってきます。今年もまた春が来たのだなあという感慨が押し寄せてきます。

 本来ならば素晴らしい時期であるべきなのですが、今年は大リーガー大谷翔平選手の通訳である水原一平氏が引き起こしたスキャンダルがニュースを賑わせて、少し不本意な春になっています。



野球における日米格差

 大谷選手といえば、いわずと知れた大リーガーのなかでもトップ中のトップに君臨する日本の宝とでも言うべき存在です。

 どうしてこのような選手が日本人のなかから出たのか、私はいまだに不思議に思うことがあります。

 私は、小学生の頃から暇さえあれば友だちや近所の年長者を相手にキャッチボールをやっていた野球少年でした。もちろん、中学に入ってからは野球部に入部し、毎日学校の校庭で暗くなるまでボールを追っていたものです。

 そんな私の憧れは王や長嶋に代表されるプロ野球選手だったのですが、この頃から大リーグのチームがシーズンオフの時期に、日本に親善試合にやって来ることがありました。

 その日はテレビにかじりついて試合を見守ったものでしたが、当時日本のプロ野球と本場アメリカの大リーグとは、お話にならないほどレベルの差がありました。

 なにしろ、体の大きさからして差があり、まるで大人と子どもほども体格の違いがあります。その怪物めいた選手たちが投げれば剛速球で次から次へと日本の打者を三振にしていきます。逆に日本の投手が渾身の力で投げた球をいとも軽々と打ち返し、次から次へとホームランを繰り出す始末。

 ブラウン管を見ながら、悔しさと諦めとを胸に刻んでいたものです。



スーパーヒーローの登場

 やはり、日本人はアメリカ人には到底かなわない。長年そう思っていたところに、大谷選手が現れてきました。

 東北の岩手出身で、純粋な日本人。にもかかわらず身長は193cm、体重は95kgもあります。大リーガーの選手に混じっても、まったく遜色ない堂々たる体格です。

 そのうえで、誰もが不可能だと思った投打の二刀流を実現してみせ、打ってホームインしたその足でマウンドに上がって三振を奪うという、漫画のなかでしかできないようなことを軽々とやってのけています。

 大リーグでのMVPには2回選ばれ、年俸は移籍したばかりのドジャーズとの間で10年で総額1000億円の契約となっているのはご存じの通りです。

 漫画のようなストーリーは続き、ルックスもよければ性格も申し分なし。今年に入ってからは結婚も発表し、そのお相手が日本人のバスケットボール選手で、こんな人がいたのかと驚くばかりのお似合いの女性でした。

 すべてが期待を裏切らず出来過ぎで、映画やドラマのなかの話のよう。夢を見ているようで、でも現実なのです。



まるでドラマの急展開

 その彼に突然、パートナーであった通訳水原氏のギャンブル依存症による窃盗事件が発生してしまいました。

 大谷選手の口座から徐々にスポーツ賭博に資金を流用するように、約6億円まで借金が膨らんでしまったことが判明しました。

 信じられない展開という点ではこれまた漫画のようなお話で、通訳の水原氏とそこまで親密な関係だったのかと改めて知ると同時に、彼の受けたショックというものは計り知れないものがあるのだろうなと思った次第です。

 それにしても、パートナーのそんな事態にまったく気がつかなかったとは。しかしながらこれまでの自分の会社経営を振り返ってみると、企業内で横領などに手を染めてしまう場合は、もちろんそれは本人が悪いのですが、それを許してしまう周囲の環境が必ず背後にあるのだということが言えます。

 一人で大きな権利を把握していて、チェック体制が機能していない…などの不備が、これを誘導してしまうのです。



終わってほしくない夢

 さてさて、問題は大谷選手です。

 結婚して伴侶も得たことだし身の回りの再構築を図って、このショックを乗り越えていってほしいと思います。

 夢物語の続きを、われわれ日本人に、いや世界中に見せていってほしい。そう願う桜の頃です。

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