厚木の暑い熱い夏

~真夏の「ありがとう」のこと~
暦が変わって、日本でもっとも暑い月の八月となりました。
連日の猛暑は人生の後半に入った身には少々きつい感じですが、今年は局地的な激しい大雨で被害に遭われた方もおられたようで、このような異常気象が多少なりとも解消されればと願うばかりです。
さて、そんななか、厚木市の中心部にある厚木神社では7月13日と14日の二日間、地元自治会の主導で厚木例大祭が行われました。神輿が練り歩いたり山車が出たりと、昔と変わらない光景がビル街や商店街を中心に繰りひろげられたのですが、今年はこのお祭りに対して運営をお手伝いする人員協力を行いました。
従来の企業協力としては寄付金という形をとってきていましたが、今年は一歩踏み込んだ人的支援を行い、地元自治会の方々と一体感を感じられる二日間となりました。
ことの発端は、日頃からお世話になっている地元のオーナー様との何気ない会話からでした。「まもなく例大祭の季節ですね」「なかなか若い人がいなくって」…そんな声を聞いているうちに、お祭りのお手伝いの件で自治会さんよりお声がかかり、地域貢献を企業理念に掲げる当社としても協力をさせていただくことになったというわけです。
お祭りというのは準備が大変です。神輿や山車が出発する自治会館の回りに提灯を下げて回り、山車に紅白の祝い幕を巻き、神輿には「かつぎ棒」を付け、さらにそれをかつぎやすいように「さらし巻き」にして…と、なかなか重労働の連続です。今年は弊社のスタッフ数名が、炎天下のなかを準備から加わり、自治会の皆様からは大変なねぎらいと感謝の言葉をいただくに至りました。
地元のお祭りというと、かつてはいろんな企業がこぞってお手伝いをしていたものです。厚木に支店を持つ企業などもお祭り応援部隊を送り込み、地域を盛り上げるために額に汗していたものです。
ところが時移り、お手伝いを行う企業はすっかり減ってしまいました。ほとんどの企業がお祭り参加から撤退。地元企業と住民とで盛り上げていたお祭りは、すっかり寂しくなってきました。
通常業務以外にスタッフを動かすことは、私にとっても気が引けることです。毎日多忙な業務を限られた時間でこなしているところへ、さらにそのうえにお手伝いをとは、なかなか言い出しにくいものです。ところが当社の場合は、お手伝いをする者が上司から言われて嫌々というのではなく、自ら進んで参加してくれるのです。
不思議な話ですが、私はお祭りやイベントのお手伝いというものが、われわれサービス業に従事する者の「本能」をくすぐるような気がします。これはお客様に喜んでもらうことを信条とするわれわれの業務の延長線上にあるからではないでしょうか。地域のお役に立つこと、よかったと感謝されること、ここにこのうえない喜びを感じていると思うのです。
そんなわけで、今年開催されるイベントにも、例年通りの協力参加をいたします。
厚木市最大のお祭り=「鮎まつり」や、「あつぎジャズナイト」、「厚木国際大道芸」、秦野市・東海大学駅前で開催される「東海大サマーフェスタ」、それぞれの催しで設営のお手伝いをしたり、焼きそばの屋台を手伝ったりと、例年どおりの熱いイベントが繰りひろげられます。
お手伝いとして参加しているスタッフは、呼び込みで声は枯れ、日焼けして真っ黒になって働きます。
みんなが、いつもお世話になっている地域になんとか恩返しをしたい、活性化の一助となりたい、訪れてくれたお客様に喜んでいただきたいという思いで、夢中になって動きます。
皆さんにありがとうと言ってもらえることの素晴らしさを肌で感じる瞬間、深い喜びを覚える感触の狭間で、すがすがしくも確かな記憶が残ります。
そんなことを心に刻みながら、今年も夏が過ぎていきます。