占有移転禁止仮処分も有効です

家を貸したが、賃借人が、第三者を入居させてしまっているとか、賃借人が第三者を入居させるおそれがある場合に、明け渡し訴訟の前に、占有を固定しておく手続き(占有移転禁止仮処分)があります。この手続きをとっておかないと、明け渡し訴訟で勝訴しても、占有者を追い出すことができません。
私が、弁護士になったころは、建物明け渡し訴訟を行う前に、必ず、占有移転禁止仮処分を行い、占有者を固定しておいて明け渡し訴訟を提起していました。以前は、平気で、第三者を入れてしまう「占有屋」も横行していたからです。
ところが、世の中が落ち着いてきたのか、このような「占有屋」を利用する人が少なくなり、占有移転禁止仮処分を行うことも少なくなってきました。しかし、世の中が不景気になり、悪質な賃借人も増えてきて、『占有移転禁止の仮処分』を使うケースもあります。
今年、20年振りに、占有移転禁止仮処分を行いました。賃借人の子が許可なく入居してきて、しかも、刑事事件で収監されているのに、俺の荷物を勝手に処分するなと脅してきたので、占有移転禁止の仮処分を申立、その不法占拠者にも、明け渡し裁判を提起しました。
このような悪質な占拠者は少ないと思いますが、いざというときには、弁護士に相談して、手続きを取ることで解決することもあります。今の若い弁護士にはこの手続き経験は少ないかと思いますが、弁護士を 40年もやっていると過去の遺産も使えるものですね。
山本弁護士プロフィール

山本安志法律事務所所長(所属弁護士=8名)
弁護士暦 | 41年 |
年齢 | 66歳 |
簡易裁判所調停員 | |
相続アドバイザー | |
趣味 | 風景写真 山登り マラソン |
TEL | 045-662-6302 |
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