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NISHIDA
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一年の計は香港にあり

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一年の計は香港にあり

 新しい年、2016年の幕開けとなりました。
 実は私は昨年の年の瀬に二泊三日の日程で、香港に滞在してきました 。長男がこの地を拠点に事業を展開しており、その状況視察を兼ねて顔を見に行ったというわけです。香港は相変わらずおびただしい数のネオンサインが夜空を彩り、街は活気に満ちて元気のいい広東語が飛び交っ ていました。ここで長男は10年前におむすびの専門店をオープンさせ、現在は14店舗を抱えるまでになっています。
 とはいえ日本のおにぎりは香港中のコンビ二で売られ、香港の人にとっては決して珍しいものではありません。そんななかで息子はどのように商売を展開しているのかというと、日本式の「おもてなし」という付加価値を加えて販売しているのです。すなわち、日本産の米や海苔を使って安心、安全、美味をアピールするとともに、日本式の心を込めたサ ービスを行ってお客様の「満足」を得ていくという事業展開を行ってい ます。言葉で言うと簡単なのですが、文化の異なる国で文化の異なる人々をスタッフにして事業展開していくことが、どんなに困難を伴うかは 想像に難くありません。
 彼は、品質、礼節、感謝、清潔などの概念を教え込み、根気よくスタ ッフ教育を積み重ねて、ついに地元の方々からの支持を受け、確固たる評判を得るまでになったようです。私はそのなかの数軒を見て回りましたが、極彩色の看板と派手な造りが目を引く香港にあって彼の店はどこもこざっぱりと清楚で美しく、おむすびを売るスタッフも整った身なりにきちんとした態度で実に愛想よく親切丁寧に対応を行っているのです 。試しにそのなかの一軒で私もおむすびを買ってみましたが、たかだか二つ三つのおむすびでここまでしてくれるのかと思うようなおもてなしぶり。実に気持ちがよくて、さらに外国人でありながらよくここまできめの細かな心遣いができたものだと感激してしまいました。

 その日の夜に久しぶりに息子の表情を見ましたが、外国暮らしでの苦労にもすっかり慣れた様子で、充実感に満ちた顔をしていました。彼によると、おもてなしの精神を徹底していくために、週に一度のスタッフ 研修を徹底しているとのこと。そこまでの努力があってこそのあの対応 ぶりなのだなと改めて認識した次第です。

 さてさて、日本へと帰る年末の飛行機のなかで私は自分の会社を顧みることしきりでした。
 香港のスタッフが行っているようなきめ細かな対応が、果たして私の会社でこの一年十分にできたであろうか、と。賃貸住宅をお持ちのオーナー様や、お部屋を探しに来られたお客様への対応が、「おもてなし」 の国にふさわしい高いレベルで行えたであろうか、と。   
 そうして、私たちの企業の存続はそこにこそかかっているのだという 確信を持つに至りました。
 お客様に対して誠実できめの細やかな、かつスピーディな対応を行っ ていくことが何よりも大事なのです。このことを肝に銘じて、私たちは 歩まなければなりません。

  そうして、新しい年が始まりました。
 今年は当社が創立して40周年の節目の年に当たります。節目の年に目指したいのは、会社全体がきめ細かくスピード感を持って動くことで、さらに一層の信頼を得ていくことです。
 それには、今まで使ってきたギアを捨てるくらいの覚悟が必要です。これを思い切って小さなギアに乗り換え、小さくこまごまちょこちょこと動くイメージで、オーナー様やお客様への対応を細やかに行っていきたいと思っています。
 大胆不敵という言葉の反対語として、小心翼々という熟語がありますが、まさにそのように慎み深いながらも細やかな配慮を今年の一大目標として掲げて、今年一年間を乗り切っていこうという誓いを新たにしています。

 さて、2016年。皆様にとってもいい年となりますように。

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