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住みたい街第1位の地から

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住みたい街第1位の地から

 首相は変われどコロナ禍の状況は一向に変わらず、あらゆるものが停滞しているように感じられるここ数ヶ月ですが、先月我が街、厚木に明るい話題が飛び込んできました。
 それは、「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」の第1位に、我々が本拠地とする本厚木エリアが堂々ランクインしたということで、この話題が幅広くテレビなどで紹介されました。


ランキング1位が語るもの

 マスコミの表現によると、「コロナ禍によって在宅勤務が増えたために、都心に住む必要がなくなり、自然に恵まれた地域が注目されるようになった。厚木市には七沢森林公園などの自然が残り、温泉もあるうえに、行政の子育て支援も充実しているため人気が集まっている」ということで、この街の良さが大きく宣伝されました。
 これは、不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」で掲載された物件のうち問い合わせが多かった物件エリアからランキングを割り出したもので、4月1日から8月18日に掲載された物件を対象にしたものです。
 賃貸住宅の仲介を行っている者としては手放しで喜びたいところなのですが、私はこの結果を少々懐疑的に見ています。つまり、賃貸物件はどうしても賃料から物件を探し始めるがゆえに本厚木エリアでのヒット数が増えてしまったのであって、直接人気と結びつけるのは早合点過ぎるのではないだろうかと思っているのです。
 雇止めやアルバイトの激減などの影響で、都心で暮らしていくのが苦しくなってきた。せめて賃料の安いところに移ろうかと、物件検索を行う。だがよく考えると、引っ越し費用も要れば、敷金も必要となる。お金がないから、やはり転居は諦めざるをえない...。そんなことを考えているお客様の顔が目に見えるようです。


苦しむ国民、苦しむ企業

 コロナ禍の長期化により、未曽有の経済危機が進行しています。
 都心でも空室の店舗が増え、中小零細企業の倒産も相次いでいます。
 まもなく企業の半期決算が発表される頃ですが、恐ろしい結果が出ることは目に見えています。
 我々の厚木エリアでも撤退に追い込まれる企業や店舗が増え、廃業を決断したところも格段に増加してきました。
 それを眺めなから、私は30年ほども前のバブル崩壊の頃の悪夢を思い出してしまいました。
 なにしろ、当時不動産業界ではどの企業も土地や建物を大量に買い込んでいたものですから、それが一度に負債となって両肩にのしかかってきました。あまりの事態に呆然となり、どうにかしなければならないのに、なぜか動けないのです。
 いま思い返すと、いわゆる「うつ状態」に陥っていたのだと思います。毎日同じことを考えて、でも動けなくて日々不安だけが大きくなってくる。そんなあの頃の私と同じような状況にある人は、いま沢山いるのだと思います。


経済と心の両面からのサポートを

 事実、厚木の街を歩いていても、休業またはテイクアウトのみの細々とした営業に陥っている店舗が数多く目に留まります。
 そういう私自身もいまだにお昼に外食に出ることはせず、社員にも外での飲食を控えるように通達しているくらいですから、当たり前の現象です。
 長い時間をかけて技を磨き、その店でしか食べられない美味しいものを提供して、お客様に喜ばれてきた地元のお店が、こんな災難のために苦しんでいる状況を考えると、胸が痛くなります。なんの落ち度もない人たちが、コロナなどという避けがたい社会現象によって窮地に陥る…。こんな状況を放置しておいていいわけがないと思うのです。
 それらの人を救うために行わなければならないのは、国や行政による大胆かつ徹底的な支援です。
 もっともっと思い切った支援を、コロナが収束するまで継続的にきちんとやっていただきたいと、この場を借りて政府に強く求めたいと思います。
 それと足並みを揃えるように、気持ちの面でのサポートも充実させなければなりません。
 いわゆる「セーフティーネット」の充実を、平時からしっかり行っていかなければならないのだと思います。
 思い悩み、うつ状態に陥っている人に必要なのは、考え方のスイッチを入れ替えてくれる「きっかけ」です。
 このきっかけを困っている人に投げかけることができたら、悲劇を食い止めていくことができるのではないかと思っています。


変わりゆく社会に求めるものは

 コロナによって世界がガラリと変わると言われています。
 現行のセーフティーネットに行き当たりたくても、どうしたらいいかわからない、どこへ手を伸ばせばいいかわからないという状況から、いつでも誰でも望みのままに心や気持ちのサポートが受けられる社会。ありとあらゆる場所にセーフティーネットが、それこそ網の目のように張り巡らされていて、すぐに気軽にネットに寄りかかってその恩恵が受けられる社会へと、変容していくことが大切ではないかと思います。

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