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NISHIDA
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自省と自制の時間

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自省と自制の時間

 7月になったばかりなのに朝から眩しいほどの夏空が広がって、こんなに早い梅雨明けでは嬉しさよりも不安が募る毎日が続いています。
 温暖化もここまで来たかという印象ですが、一方で気持ちを切り替え、白い雲を眺めながら今日もやるぞと闘志をみなぎらせる自分がいます。
 これはきっと、この数ヶ月のうちに日課となった、ある習慣のせいだろうとひそかに考えています。なんだか年寄りくさくて恥ずかしいのですが、こういうことは人間が長い年月のうちに考えついた知恵に違いないと思っています。



自分と向き合うひととき

 昨年末に、高齢だった母がこの世を去りました。
 長生きしてくれて、いつも私に元気と感謝の気持ちを与えてくれる母でしたが、無事見送ることができました。
 それと同時に、それまで実家にあった仏壇を我が家で引き受けることになりました。
 こうして毎朝、亡き母の遺影に手を合わせる習慣が始まりました。
 毎日、出かける前に仏壇の前に座り、お釈迦様と観音様の姿を眺めて線香を上げ、さらに亡き父と母に心のなかで語りかけます。いつも見守ってくれてありがとうございます、と心のなかで唱えるのですが、同時に昨日のことを思い返す時間となっています。
 昨日あんなことを言ったが、あれは相手の心にどう届いただろうか、もっと違う言い方をしたほうが良かっただろうか、またあの場ではああ言ったけれど、それで良かったのだろうか…。
 手を合わせる時間は、自分を静かに振り返る時間になっていて、これを行わないと落ち着かないようになってきました。



長く生き、良く生きる

 思えばもう長く仕事に携わってきて、周りを見回すと諭してくれたり戒めてくれたりという先輩方が少なくなる年齢になってしまいました。
 こうなると、ともすれば傲慢に陥り、煙たがられる存在にならないとも限りません。
 そうならないためにも、毎朝姿勢を正して仏壇の前に座り、自省のひとときを持つことはとても大事なことのように思われます。
 心のなかでは、もう30年ほども前に他界してしまった父が、ほどほどにしておけよと私を制する言葉をつぶやき、母が大丈夫よと笑いかけてくれます。
 もちろん私の頭のなかの声なのですが、こうして自問自答を繰り返し、反省と自分への励ましを感じながら立ち上がります。
 若い頃は思ってもみなかった習慣ですが、確かに心は落ち着き気力は満ちてきて、不思議なものだなあと思ってしまいます。



不安と混乱の波に漂いながら

 ロシアとウクライナの戦争は終わる気配がありません。その影響で、物価は高騰し原材料は手に入りにくくなって、仕事に遅れが出ることも多くなってきました。コロナが終われば景気回復と信じていた我々は、冷や水を浴びせられるような気持ちです。
 まさかこんなコロナ禍の最中に、国家による侵略戦争が発生するとは思ってもみませんでした。
 さらに、猛暑続きで大変なときに電力不足が叫ばれ、水が足りない地域も出てきて、もはや自分の努力では解決できない問題が散見するようになってきました。
 仏にもすがりたいような気持ちですが、そんななかで正座をして心を落ち着け、自らを省みて姿勢を正す。そうすると、きっとこれから先も程よい具合に未来が拓けていくような気がしてきます。

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