ブログ

NISHIDA
BLOG

最終直線のエール

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
最終直線のエール

 長い夏もやっと終盤に差しかかってきました。
昼間は30度を超える猛暑が続いているものの、夜には気温が下がってきてエアコンをつけずとも眠れるようになりました。
 そんななか先月の末に、涼を求めて北海道まで出かけてきました。
 北海道の夏といえば、抜けるような青空の下、爽やかな風が大地を吹き抜けて...というイメージでしたが、なんのなんの。何年かに一度の異常気象に見舞われて、連日35度に近い猛暑が北の大地に襲いかかり、地元厚木にいたほうが涼しかったのではないかと思うような日々でした。
 すでに新学期が始まっていたとのことですが、当地の教育現場では生徒たちの登校を諦めて急遽オンラインでの授業を実施したと聞きました。
 その暑い北海道で文字通りホットな体験をしてきました。


予期せぬ巡り合いの好運

 といっても、大それたことをしたわけではなく、函館の名所を巡り、美味しいものを食べお酒を飲んだだけなのですが、今回はある関係者の方々と一緒だったために、普段ではなかなかお話できないような方と言葉を交わすことができました。
 そのなかで日本を代表する総合商社の幹部だった方とお知り合いになることができ、そのお話を聞いて大変な刺激を受けました。
 総合商社というと取扱い商品は「カップラーメンからロケットまで」と表現されるように、ありとあらゆるものを事業領域とし、世界各国にビジネス拠点を置いて何千何万人というスタッフを抱え...と、そのスケールたるやまさに日本のビジネス界の巨人です。
 普段の生活では接点のまるでない大商社の存在、仮にあったとしても担当の方と仕事の話をするだけで、深く根っこのところで語り合うことはまずないでしょう。
 ところが、すでにリタイアされている身であるがゆえに、幹部だったという立場にもかかわらず、私のような小さな企業の経営者にも気軽に打ち解けてくださいました。



仕事のダイナミズムと覚悟と

 さて、その方とお話をしていくうちに、ビジネスにおけるダイナミズムと気概と知性と覚悟...その方の持つありとあらゆるものに圧倒されてしまいました。
 名門企業の幹部として世界を相手にビジネスを展開するということ。幹部としてのひとつひとつの決定が、巨大企業の将来を決め、取引先企業の明暗を分け、関与する何万人もの生活を決定していくという責任の重さと重圧。そのなかで舵取りを行ってきたスケールの大きさと厳しさといったものが、ひしひしと感じられて憧憬にも似た感情を抱いてしまいました。
 そのような人物にはなかなか出会えるものではありません。



もっと努力をもっと汗を

 ひるがえって我が身のことです。
 20代で独立して40年あまり、誰よりも汗をかいて、誰よりも忙しく立ち回り、誰よりも努力して、ここまできたという気概を今まで持っていました。
 ですがそれは、小さい世界で一生懸命に走り続ける、回し車の中のハムスターのような存在だったのかもしれません。ただ目の前の課題をこなすだけで必死のハムスター。
 だが、まだまだできるはずだ、と私のなかの私が声をかけます。
 ともすれば、疲れたなあ、早く楽をしたいなあ、と子ども返りしてしまうこの頃の自分。だが今までの努力は大したものではなかった、もっともっと努力や大きなスケールの何かができるはずだと、内なる声が響きます。
 経営者としてのレースも終盤に差し掛かったこのタイミングで、こんなに大きなエールをもらうなんて、ありがたいことです。
 考えを常にリフレッシュしながら、新たな発想で、新しい時代を生き抜かなければと、静かに我が身に喝を入れたところです。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加