夏の終わりの座禅
今年の夏の話題といえば、東京大会から3年の期間を経て開催されたパリオリンピックと高校野球、今月27日に行われる自民党の総裁選でしょうか。
今回のオリンピックについては始まるまではさほど期待はしていなかったのですが、いざ始まってみると面白くて応援に熱が入ってしまいました。
あれよあれよという間にメダルの数が増えて、終わってみると金メダルの獲得数はアメリカ、中国に続いて世界3位。ちょっと驚いてしまいました。いつの間にこんなスポーツ強豪国になったのだろうと感心することしきりでした。
喜びと悔しさのオリンピック
そのメダルの立役者が、柔道にフェンシング、レスリングに乗馬、それにスケートボートなどの新種目です。
柔道の強さについてはもちろん競技発祥地なので当然なのでしょうが、フェンシング、乗馬が強いのには驚いてしまいました。
一方で、柔道に関しては日本人には不可解な判定が相次いで、歯ぎしりしたり後味の悪い思いをしたりが続きました。柔道とJUDOは違うということなのでしょうが、勇猛果敢に攻め入って豪快な技で勝つという正統派の柔道が見たいと思ったのは、私だけではないはずです。
それぞれに秘められたドラマ
そうして、ブレイキン、スケートボード、サーフィン、スポーツクライミングの4つの新種目。ここでも日本人のメダルが量産されましたが、私には競技そのものが珍しく目を見張ることばかり。
スケートボードのストリート競技では、堀米優斗選手が見事な技を出して最後に逆転優勝したのですが、なかなか成功しない技を最後に決めてしまうところに王者の意地というものを感じました。
同じ競技の女子は吉沢恋選手が金メダルで、この方は相模原市の市立中学校に通う中学生とのことで、これから先、金メダリストとしてどんな未来を描いていくのだろうと、孫を見るような気持ちで喜んだり心配したりしました。
そうして卓球の早田ひな選手です。準々決勝で利き手を痛めながらも、痛み止めの注射を受けつつ試合に臨んで銅メダル。その執念と勝利にかける思いに深く感動してしまいました。
こうして、オリンピックに出た選手全員が、いえ、出られなかった選手も、それぞれがドラマを抱えて日々努力し泣き笑いしているのだなということに思い至った次第です。
夢が描ける未来を
オリンピックと歩調を合わせるように、国内では例年のように高校野球の熱戦が繰り広げられました。
暑さ対策として開始時間を早めたり逆に遅らせたりと、かつての様子とはかなり異なってきた甲子園ですが、やはり見ごたえのある試合が続いて若い世代の一生懸命さに嬉しくなったような次第です。
そうこうしているうちに時が流れて、今度は自民党の総裁選です。
今回は10名ばかりの候補者が出るようですが、私が注目している議員の方が出馬するらしく、この方の健闘をひそかに応援しているところです。
しかしながらその他の候補者の顔ぶれを見ていると、高齢すぎる方や逆に若すぎる方が名を連ねていてこちらのほうが有力候補らしく、果たしてこれらの政治家に国の未来を託していいものかと不安になるばかりです。
心を静める先人の知恵
そんな不安や雑念や煩悩ばかりが頭をよぎる日々ですが、先日こんな私に座禅を勧める方が現れました。
一日に5分でも10分でもいいから、座禅をしたほうがいいとその方がおっしゃいます。寺に出向く必要もなく、足を組む必要もない。自宅で姿勢を正して椅子に座るだけでいい。そうして、静かに目を閉じる。
最初のうちは雑念が次から次へと沸いてくるが、かまわず自分の呼吸にだけ集中する。これを続けると、心が落ち着き、まるで濁った水のようだった気持ちが、余計な物は沈殿し上澄みがすっと澄んでくる。と、こういうのです。
心を「無」にすることは、肉体と精神の健康を保つのにとても大切なことなのだと聞きます。
この方のアドバイスを受け入れて、まだ暑さが続くこの時期に、「無」を目指して寝る前の座禅にトライしてみようと思っているところです。