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工藤公康氏との感激のひととき

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工藤公康氏との感激のひととき

~社内特別研修会を開催しました~

 梅雨の時期も後半戦となりました。

 今年は本当に雨が少ないようでいろんな弊害が出てきているようですが、われわれ一般的な仕事に従事する者にとっては傘が不要な日が続くのはありがたいことです。

 さて、そんな六月末のある日に、素晴らしい人物が我が社を訪れてくれました。これが実に感動感激の出来事となり、いまだ興奮覚めやらずといったところです。

 

 梅雨の晴れ間をついてわざわざ我が社のある厚木まで足を運んでくださったのは、現在は野球解説者として活躍中の工藤公康氏。実は当社の社員が知り合いという事もあり、社内研修で講演をしてほしいと無理を承知で願い出たところ、快く引き受けていただいたというわけなのです。

 工藤氏といえば、1982年の西部ライオンズ入団以降、29年の長きにわたってプロの野球選手として活躍してこられた方。引退に至るまで数々の球団を渡り歩き、3球団で優勝と日本一を経験して「優勝請負人」というニックネームまで持った人物です。野球選手として現役中に打ち立てた記録は数知れず、48歳で引退するまで最年長記録を次々と更新してきた驚くべき快挙は記憶に新しいところです。

 そんな工藤氏が直接話をしてくださるとあって、その日の私は朝からテンションが上がりっ放しの状態。来社してくださる夕刻が待ち遠しくてならないという感じでした。そして、会議室に集まった70名の社員の前にいよいよご本人が登場。ああ、テレビで見るそのままだなぁというのと、名ピッチャーとして数々の記録を打ち立てたにしては思ったより小柄なんだなぁというのが、最初の印象でした。

 

 この研修会での工藤氏のお話、最初はご自身の現役時代のエピソードや、アメリカのメジャーリーグに留学した時の体験談などを語ってくださったのですが、ご自身の野球にかける情熱は熱くじっくりと、しかしながら苦労や苦難はさらりと語る爽やかなその姿勢に感激してしまいました。

 そしてひと通りトークが終わり「なんでも、どんなことでも聞いてください」との言葉に社員が手を挙げます。質問の内容は「ピンチの時はどのようにして乗り切るのですか?」。

 これに対して工藤氏はあっさりと答えるのではなく、逆に「あなたならどうしますか?」と一人一人に質問していきます。指名された社員達はなかなか明確に答えられないのですが、これに対する工藤氏の答えはこうでした。『ピンチの場面では、誰でもドキドキする。でも、そこで大切なのは「開き直ること」。今まで、やれる限りのトレーニングを続けてきた。全身全霊をかけて技を磨き努力をしてきた。それで打たれたら仕方ないじゃないかと開き直ること。そうすることで、その場を乗り切る勇気が出てくる。そして、自分の持つ力を100%発揮することができるんです』

 胸打たれる言葉でした。「とことん努力すればおのずと道が拓けてくる」という強いメッセージを、私を含む70名に伝えてくれたのです。『だから、いま自分の与えられている仕事をとことん好きになり、できる限りの努力をすることが大切です』と付け加えてくださいました。

 

 私は、朝礼の場や会議の席で同じようなことを常に口にしています。「仕事を好きになろう」「とことん突き詰めて努力してみよう」と常日頃ハッパをかけています。ところが、同じことを口にしているはずなのに、スタッフへの「浸透度」は違っていました。乾いた土が恵みの雨をたっぷりと吸い込むように、工藤氏が発したメッセージは、一人一人の心の奥底に滲み込んでいくのが手にとるようにわかりました。

 各界の一流の人物、ある分野で輝かしい成果を修めるまで切磋琢磨した人物を招いて話をうかがうのは、計り知れないほどのメリットがあるのだなと、改めて思った次第です。

 

 それにしても、工藤氏の爽やかだったこと。

 一方通行の話ではなく、一人一人の目を見て相手の話を引き出しながら話を進めていくその姿勢。どんな質問にも答えるという潔白さと秘めた自信。さらに、質問に淀むことなく間髪を入れず即答できる頭の回転の速さと表現力の豊かさ。写真撮影にも実に気軽に応じてくれる、その気さくさと包み込むような包容力。

 人を導く立場の人物はこうでなくてはいけないんだなと、経営者として私も教えられたことが数多くありました。今からでも遅くはない、工藤氏のような人格者を目指さなければと、年下の人物を目標に据えたいような気持ちになりました。

 感激と感動の六月のひとときでした。

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