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天に登る竜の夢

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天に登る竜の夢

 新年あけましておめでとうございます。

 悲しみと試練の一年が過ぎ、新しい年の幕開けとなりました。年を改め、干支を変えて、純白の雪のようにけがれない一年に顔を上げて踏み出していく。

 

 そして、巡ってきた干支は辰。日本では竜の字をあてますが、竜と言えば思い出すのは中国の「後漢書」に出てくる故事です。黄河上流に竜門という急流があり、ここを登り切った鯉は竜になるといわれ、この話が「登竜門」の言葉や日本の鯉のぼりの由来となっています。この故事をじっくりと考えてみれば、これほど現在の状況を表わす逸話はないのではないかと思われてきます。

 

 世界的大不況の大きなうねりのなかで、急流に逆らって泳ぎ切らなければ、何人たりとも、どの企業といえども生き残っていくことができない厳しい状況。まさに竜門の滝そのものです。海外生産が当たり前となり、国内産業の空洞化がますます加速するなかで、デフレによる収益減があらゆる業界に陰を落としています。少しでも舵取りを誤れば、あっという間に下流へと流されてしまいます。心を引き締め全身に力を込めて着実に泳ぎ切らなければ、激流に打ち勝っていくことはできません。

 

 ではどうすれば、竜門の世を生き抜いていけるのか。私は次のふたつの言葉を、今年の二大指針として掲げたいと思います。それは、「地に足をつけた着実な歩み」と「新しい価値の創出」です。

 

「地に足をつけた着実な歩み」

 賃貸住宅業界の規模は年々縮小し、お部屋を求めるお客様は激減しています。少ないお客様を多くの企業が取り合う激戦の市況となってきています。顧客を取り込み、顧客の皆様に満足していただくためには、きめの細やかな戦略と対応を行っていく以外にはありません。そのためのしくみ作り、対応力の強化のために、スタッフの力とアイデアを総動員して取り組んでいくつもりです。小さな一歩一歩の歩みこそが、やがて大きな形となってくると考えています。

 

「新しい価値の創出」

 一方で、賃貸住宅業界の現況を見てみると、古いコンテンツの商品ばかりが多くて、現代のお客様のニーズになかなか合わないという状況が指摘されています。このすでにあるストックを活用し、アイデアを加えひと手間かけることで、住みたいと思っていただけるような物件に変えていくこと。古いものを、それぞれにもっとも適した形で魅力ある商品に変換させていくこと。つまり、既存のものをベースにまったく新しい価値を作り上げていくことにも、尽力していくつもりです。

 

 私たち西田コーポレーションの強みは、企画、立案、建築から仲介、管理、売買まで、不動産のあらゆることに一社で対応できることです。たとえば、賃貸アパートの再生計画ひとつをとってみても、お客様の興味を喚起するリフォーム提案から、入居者様に満足して住んでいただける住空間の紹介や管理まで、その大きな流れを創出することで、自信をもって仕事に取り組むことができる。これこそが私たちの歩む道であり、ここにこそ逆流を生き抜いていくための「推進力」が潜んでいると私は信じています。

 

 さらなる波乱が予想される今年を、当社スタッフ、オーナー様、関係各位とともに手を携えて困難を乗り越えながら泳ぎ切り、竜として天に舞っていくことができたらと、途方もない夢を描いています。そんな「未来」を語りながら、年初のご挨拶とさせていただきます。

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