仲間の輪、幸せの輪 ～新しい春に～
一年でいちばん心浮かれる季節、四月へと暦が移ってきました。
先月は極端な三寒四温の日が続き、初夏のような陽気になったかと思うと真冬の空模様に逆戻りで、どうなることやらと気をもんでいましたが、新しい月の声を聞く頃には桜が咲きほころびて例年通りの春の到来となりました。
大したことではないのに年中忙しいを愚痴にしている私ですが、毎年三月から五月にかけては数多くのお客様とのお約束でまた時間に追われる日々が続きます。当社と取り引きのある企業の人事異動の時期がここに集中し、ご挨拶に見えられる方が増えるためです。
なかでも銀行、証券関連の企業の方が多く、それぞれ栄転による異動のご挨拶なので喜ばしいことですが、親しくおつきあいさせていただいた方ともう会えないというのは寂しいものです。担当を離れた後も友人として縁が続く方もいらっしゃるのですが、就業規定によりそれが叶わない場合も多くあります。大抵の方が私より随分年下ですから、なんとなく卒業生を送り出して残された教師のような気持ちになってしまいます。
一方で、仕事を離れても友人として絆が繋がっていく方の存在は、本当に嬉しいものです。仲間がまたひとり増えたという新たな心持ちにな ります。
そんな日々を送るうちに、新年度が始まり四月一日を迎えます。
この日は例年、新卒者の入社式を執り行なう日です。今年も例年通り、8名のフレッシュマンを迎えることができました。
今年の新入社員は、体育会系部活で心身を鍛えた者、その部活のマネ ージャーとして骨身を惜しまずにきた者、チャレンジ精神旺盛で地方から都心を目指してきた者、はたまたじっくりと地元に根を張って高みを目指そうという者と、実にバラエティ豊かで今後がおおいに楽しみなメンバーばかりです。
年度が変わって気分も新たになったところで、初々しいメンバーが頬を上気させた表情で入社の挨拶をしてくれます。と、違う風が生まれて 、そこに居合わせたスタッフ全員の体のなかをサッと吹き抜けていくような気がします。決意の風、期待の風、闘志の風です。若い人たちは、そこにいるだけでみんなに様々な風を送り込むパワーを持っているから 、すごいと思います。
彼らのためにも頑張らねば、初心を忘れず邁進しなければと、誰もが心に刻んだはずです。
もちろん、私も思いは同じです。
フレッシュな風が体に吹き込まれるのを感じ、頑張ろう、さらに努力しようと決意を新たにしながら、それとともに新しい仲間が増えたこと が心底嬉しく、言葉に言い表せないくらいです。
いい会社に育てていって、一緒に幸せになろうという同志、さらに上を目指そうとする仲間が、また増えたことがとても心強いのです。
目標を同じくする仲間と、ともに努力して、ともに汗を流して、ともに知恵を絞って、みんな一緒に幸せになっていきたい。そんなことを胸に思いながら、新しく同志となったメンバーひとりひとりに辞令を渡しながらがっちりと握手を交わしましたが、この熱い思い、掌を通してみんなのハートに届いてくれればと思いました。
私も彼らのなかに熱い風を送り込むことができたでしょうか。
