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株式会社西田コーポレーションNISHIDA BLOGハマの番長と成し遂げる力と

ハマの番長と成し遂げる力と

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ハマの番長と成し遂げる力と

 すっきりしない空模様の日が続いて、爽やかな高い空に焦がれる今年の秋。

 そんななか横浜ベイスターズの三浦大輔選手が9月末に引退試合を行いました。現役最年長選手で大洋ホエールズ時代から25年間横浜一筋でプレーし続けた「ハマの番長」の最後の姿に、感慨ひとしおとなった方も多いのではないかと思います。

 引退セレモニーの様子を見ながら、私は3年前に当社が主催した「NISHIDAベースボールアカデミー」に飛び入り参加してくれたときの彼のことを思い出しました。

 当社が初めて開いた横浜DeNAベイスターズOB陣をコーチに招いての野球教室は、厚木市内の中学校野球部生徒約300人を集めてのイベントとなりましたが、丹沢の山裾で後輩たちと自主トレを行っていた三浦選手が駆けつけてくれて、中学生投手一人一人に手取り足取りのアドバイスを行ってくれました。「番長」のあだ名にふさわしくない実に爽やかな人で、私も参加した中学生たちも大感激したことを昨日のことのように思い出します。

 その三浦選手、25年間投手としてマウンドに立ち続けることは、並大抵の努力ではなかったと思います。入団当初目立つ選手ではなかった彼は、誰よりも多く練習し、日々努力を続ける姿は日本一だったと評されています。地味なこと、逃げ出したくなるようなことを、ずっとやり続ける姿勢。今日も明日も明後日も、諦めずやり続ける努力。これだなあと、私は画面に向かって呟いていました。

 

 実は最近の若者について、密かに気になっていることがあるのです。

 それは「成し遂げる力」というものが、低下してきているのではないかということで、これは大変なことではないかと危惧しています。ひとつのことを最後まで根気よくこつこつとやり遂げる能力が、全体的に下がってきているのではないか。経営者としてこれは憂うべき風潮です。

 なにしろ、世の中は慢性的な人手不足となっています。今の仕事を辞めてしまっても、すぐに働く場所は見つかります。企業側から見ると、人材が足りないがゆえに幅広く人を採用せざるを得ない状況です。そんななかで、努力しなくても、最後までやり切らなくても許される風潮が広がっているのではないかと考えるのです。

 それが仕事の場で、目の前のことをひとつひとつやり切らない、最後まで行き着く前に尻切れになってしまう、という現象となって表われてきます。そうして最後に管理職が慌てふためくそんな構図ができてきます。それは言い換えると無責任さが蔓延してきたということで、私はぞっとしてしまいます。

 ひとつひとつのことをコツコツと、責任を持って最後までやり遂げること。地味で嫌な業務を、根気よく毎日毎日続けること。それが自分自身の成長の糧となり、やがて大きな力となっていくことを、心の底から理解し実践していくこと。それが何より大切なのではないかと考えるのです。

 そのような企業風土を作り、若い人たちのなかにそのような価値観を育てていくこと。これが経営者である私の目下の目標です。この「最後までやり遂げる」空気作りというのはなかなか難しく、もどかしいやら歯がゆいやらの日々が続いています。

 

 「ハマの番長」のリーゼントに隠された「やり遂げる力」を、当社スタッフに限らず若い世代全員が見習って欲しいと考える一日でした。

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