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天高く合宿会議の秋

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天高く合宿会議の秋

 季節外れの暑さや寒さに戸惑っているうちに季節は移り、今年のカレンダーもあと二枚を残すのみとなってきました。

 暦を眺めて「繁忙期」の文字が頭に浮かぶのは、長い間不動産業界に身を置いてきた私の決して変わらぬ習性です。今年もこの時期がやってきたなと、緊張感が高まってきます。

 ところが今年は緊張感とともに、大きな危機感を感じて霜月を迎えています。前々から述べている通り少子化の影響が大きくなり、これが蛙が茹でられるときのように、じわりじわりと足元に迫ってきているのです。ところが、湯の中にいる蛙は目の前のことに追われて事態に気付かず泳ぎ回っている。ーいまの当社の状況を表わすと、そんな風に感じられるのです。

 繁忙期に入る前に、なんとかこの状況に気付いてもらい、スタッフの最後のひとりまでが危機感を持ち、自らの持てる力を十二分に発揮しなければ、この困難な状況を乗り切れないのではないか。私はジリジリした気分で思いを巡らせます。どうしたら組織全体が危機意識を持ち、当たり前のことを当たり前に行って成果を出し、さらにやる気を奮い起こしてお客様から信頼される素晴らしい事業体にすることができるのだろうか。ああでもないこうでもないと考えてたどり着いた答えが、スタッフ全体ではなく扇の要となる幹部だけに照準を合わせた「反省と改善」です。そのために一泊二日の合宿を決行することにしました。

 

 十月某日、神奈川県内のあるホテルに昼過ぎから十名ばかりの当社管理職スタッフが集りました。

 最初は単なる飲み会かと思っていたメンバーもいたようですが、そうは問屋が卸しません。全員席に付くと雰囲気はがらりと変わって、深夜まで続く幹部会議の始まりです。

 それぞれが管理職としての自らの業務における反省点を挙げていきます。こうなるはずなのですが、なかなか上手くいかず、それというのもと、長い説明が加わります。これに対して私や他の幹部からの厳しい指摘が加わります。指された当人の顔が、みるみるこわばっていくのがわかります。管理職に言い訳は通用しません。すべては工夫のなさから生まれた結果なのです。

 次の人が発表します。厳しい評価を自ら明らかにしますが、今度はまったく違うことを別の人から指摘されて呆然となっています。ぐっと唇をかみしめて悔しさを押し殺しています。まさかそんなことを批判されるとは思ってもみなかったようです。

 そうです。自分はやっているつもりでも、客観的に見ると不十分なのです。そしてそれが部下にも伝染して、結果的に仕事に跳ね返ってくるのです。まずは、管理職がいま以上のレベルアップを図り、スタッフの模範とならなければ会社全体は動いていきません。

 

 苦しくも辛い一夜が終り、眠れない夜を過ごしたメンバーもいたかと思います。

 朝食を食べて、今度は「対策」に転じます。昨夜明らかになった課題を、どうやってクリアしていけるかについて、みんなで知恵を出し合います。全員で力を出し合って、一度は落ち込んだ心を引っ張り上げる作業を行います。さらに、当人が問題点を乗り越えるための方法を発表し、必ずや実行することを宣言して終りとなります。私はいままでの殻をひとつ破って、もっと大きな自分へと生まれ変わってほしいのです。そのことが、ついてくる部下たちや会社全体を良き方向に導いていくに違いないと考えるわけです。

 

 さて、その会議合宿から数週間が経ち効果は徐々に出てきていますが、不十分な部分もまだまだ散見されます。

 今度は「会議合宿の振り返り研修」というのを予定しています。合宿で得た成果を十分に活用しているか、自らに課した課題をきちんとクリアできているかを、みんなで考証するためです。やり始めたことは、継続して続けていかなければ効果は半減してしまいます。皆の上に立つリーダーは権限を与えられていると同時に大きな責任を持っています。指導者がしっかりしなければ、ついてくる者は「さらなる高み」を目指さなくなります。

 

 われわれにとって繁忙期は戦(いくさ)のようなものです。

 戦は始める前の準備でほとんど決まると言われています。用意周到に準備を行い、戦略を立て、スタッフのやる気を鼓舞して、長い戦いに挑みたいと思います。

 

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