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NISHIDA
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世界の混乱の行方

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世界の混乱の行方

暦が変わって日中はまだまだ夏の日差しが照りつけるものの、夜には秋の虫が涼やかな声を響かせて、新しい季節の到来を告げてくれる頃となりました。
 早朝に起き出して行うのは、誰もがそうであるように新聞を広げての政治経済欄のチェックなのですが、8月上旬の日本政府による韓国のホワイト国除外の発表以降、すっきりとした朝を迎えることが難しくなってきました。
 これに対する反発や次々と打ち出される報復措置、両国関係者の発言さらに、韓国によるGSOMIA破棄の報道が出ると、それに対する批判やその後の影響の解説などが連日紙面を賑わせました。
 一方で、世界では米中が貿易関税の報復合戦を繰り返し、G7では参加国一致での首脳宣言を採択できず、アメリカとイランの対立は続き、ブレグジットを巡っては英国とEUとで責任のなすり合いを始め、さらに地球温暖化に影響を及ぼすとしてアマゾン地域での火災鎮圧のためにG7で拠出した緊急支援金をめぐってフランスとブラジルの首脳が対立してこんな調子では、気持ちのいい朝が迎えられるわけがありません。

世界が突き進む悪夢の再来

なぜこうも世界の各国が自国主義に走り、醜い罵り合いを始めることになったのでしょう。
 2017年のトランプ大統領の登場には少なかれ驚いたものですが、あれから2年半が経って世界を見回すと、あっちもこっちも自国第一主義の一癖ありそうなリーダーばかりが顔を揃える状況になってきています。イギリスのトランプ、ブラジルのトランプ、フィリピンのトランプ冗談のようにトランプだらけです。
 そうして繰り返される関税や輸出管理優遇措置除外などの報復。
 それらの影響を受けて、たとえば我々が地盤とする地域の企業は、軒並み業績が落ち込んできています。こんなことを続けていて、一体誰が得をするのだろうと首をかしげてしまう毎日です。
 人間には知性があり、感情があり、情緒があるはずです。宇宙に探索機を飛ばすほどの優れた知性を持った人類が、なぜ国と国との間ではかくも愚かにいがみ合いを続けてしまうのか。憤りを感じるのは、私だけではないはずです。
 なぜ、世界の平和と繁栄のために手と手を取り合って協力して行こうという道へ、リーダーたちが舵を切ってくれないのか。私は一市民、国民として傍観するしかないのですが、いら立ちを感じながら新聞を広げる毎日です。
 このままでは、日本は74年間の積み上げを捨てて、軍隊を持たざるを得なくなるでしょう。理想を唱った平和憲法を改正し、新しい時代に突入しなければならなくなります。
 今のこの流れは、世界が二度の大戦に巻き込まれた二十世紀の悪夢の前夜としか思えません。なんとかこの事態の方向転換を図る新しい流れは、出てこないものでしょうか。

高まる緊張の先は?

そんな危機迫る世界の明日を象徴する出来事として、私は香港での市民によるデモに注目しています。
 「逃亡犯条例」の改正案をめぐって、これに抗議する人たちが行っているデモはすでに数ヶ月を過ぎて、一向に収まる気配がありません。
 これが施行されると、香港は今まで保証されていた自由と権利を一度に失い、他の中国の都市と同様になるとして、市民は絶対反対の構えです。デモ発生から百日余りが過ぎて参加者の数は一向に減る兆しは見えず、若者の参加にとどまらず、弁護士、税理士などという知識層から一般市民まで老若男女が、今ある自由を奪われまいと冷静に着実に抗議を続けているらしいのです。
 会社を休んでまでデモに参加する人が出る始末で、この自由を求める抗議を理解しないような企業にはいたくないと語気を荒げる映像も目にしました。これに対して中国当局も圧力を強め、たとえばキャセイパシフィック航空にデモに関わった従業員を職務に就かせないよう要求し、CEOが辞任、操縦士2人が解雇と、情勢は混乱を極めています。
 中国が軍隊を動員し近くに配置させるなど、あの手この手で圧力をかける一方で、アメリカはデモを支持するようなコメントの発表と、今まさに世界で起こっていることの最前線が香港ということが言えそうです。

未来に待っているもの

 このデモが今後どのような展開を見せていくのか。
 武力でねじ伏せられていくのか、市民の力が凱歌を揚げるのか、香港におけるビジネスにも関係している者としては、注意深く見守っていきたいと思っています。
 願わくは、誰もが幸せな明日を迎えることができるような方向へと進んでほしいと思っています。

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