激烈さと穏やかさの間で

カレンダーがあと二枚を残すのみとなって、秋がさらに深まりをみせる霜月の頃となりました。
それにしても先月にさまざまな出来事が重なったことには、いまだに信じられない心持ちが消え去りません。
9月の台風15号での暴風で、千葉県のみならずわれわれ神奈川県央部でも被害が出ていたところに、追い討ちをかけるようにやってきたスーパー台風19号。それがもたらした豪雨により、長野県や北関東、東北地方で7万4000棟の住宅が浸水や全半壊、一部損壊などの被害を受け、死者行方不明者は95人、なんと20万台の車が廃車になるという大災害になってしまいました。
そんななか、ラグビーワールドカップで日本代表チームが大活躍を見せてくれ、プロ野球日本シリーズではソフトバンクホークスが日本一に3年連続で輝き、ゴルフのチャンピオンシップではタイガー・ウッズが優勝、松山英樹も2位と健闘してくれて、ひとときの夢を見せてくれました。
かたや新天皇の即位を内外に示す即位礼正殿の儀が厳かに執り行なわれ、令和の世に平安時代の昔にタイムスリップしたような静かな時間がゆったりと流れて行くのを目の当たりにしました。
流れる二つの時間
なんというか、一方で地球温暖化による災害が激烈化し、産業の面ではデジタル化が浸透し、AIがあらゆる分野で活用され始め、5Gの時代もすぐそこという現代において、まったく異なる時間軸にあるように思われる皇室または天皇の存在というものには、今さらながらに不思議なものを感じてしまいます。
令和の天皇は第126代天皇というのですから、その長さたるや驚くべきものがあります。仮に大化の改新をスタートとして数えても1400年近くも日本という国の中心に在り、表に出たり陰に隠れたりを繰り返しながらも国民の心のなかで綿々と生き続けてきた天皇という存在は、われわれ日本人にとって一体どういうものなのでしょうか。
また、その125代も継承してきた天皇を新しく継ぐということは、どんな心持ちだろうかとしみじみ考えてみたものです。
その明快な答えは出てきませんでしたが、いずれにしても長く受け継いできたものを、ゆったりと継承する姿には、何かこの世の願い事を託したくなるような、人知を超えた力にすがりたくなるような気がしたのは、私だけではないはずです。
地球環境を変える人類
この世の願い。それはやはり、平和で平穏な世界を呼び戻したいということです。
災害がなく、争いごとのない世界へと導いてほしいという願いです。 今回のような激甚な災害が日常的に訪れる未来は、まったくもって見たくありません。テレビのニュース番組を見れば目と耳を塞ぎたくなるような惨状は、もうご免被りたいのです。
それには、国と国が利害で対立することを止め、地球温暖化阻止へ向けて手を握り合うことが肝心なのですが、どうもどうしてもそちらと逆の方向にしか世界は動いていません。
今こそ、政治とは異なる立場にある皇族や王族が、一致団結して人類の未来を守る行動を起こして欲しいなどと、考えてみたことでした。
今年もあと二ヶ月。いろいろあったけど、良いこともあったよね。とにかく前を向いて希望を持って歩いていこうね。
残りの六十日が平穏に過ぎて行って例年のように一年の帳尻が合わさり、日本人みんながそう思える令和元年になることを、心の底から願っています。