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NISHIDA
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動かぬ世界の風になる

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動かぬ世界の風になる

 人間というものは、どうしても明るい未来を思い描きたいものです。
 その明るさをたよりに今日を歩んでいく。...当たり前のことです。
 そのようなわけで、1年前のわれわれは東京オリンピックの感動と歓喜を思い描いていました。
 本来ならば8月のこの時期は、そのスポーツが作り出すドラマに酔いしれていたはずです。ところが、これは(今のところ)夢物語となってしまいました。
 つい1ヵ月前までは、アフターコロナと題してコロナ後の変化した世界を語り合っていたものです。
 しかしこれも、やはり楽天的な考えだったようです

コロナがもたらす籠城戦

 梅雨がやっと開けて、暑さに弱いはずのウイルスが猛威を振るっています。
 感染者が極めて少なかったはずの日本で、1日に1000人を超える新規感染者が全国で報告されて、その数は日に日に過去最多を更新するばかり。
 われわれはそのスピードに驚きながら成す術もなく、ただマスクをして、手を洗い、遠出や会食を控えるという地味な努力で耐え忍んでいるだけです。
 これがもう半年間も続いています。
 先月から大手企業の上四半期の決算が次々と発表されていますが、当たり前ながらどの企業も過去に例のない恐ろしい減収減益です。
 しかもこのコロナの騒ぎがいつ終わるとも知れないものですから、打つ手なしといったところです。
 このまま数ヵ月が経てば、企業の大量倒産、大量失業の時代が到来してしまいます。

未来が描けない現実

 そんななかでもいつものように朝が来て、いつものような業務が始まります。
 なんとかこの困難な時期を乗り切ろうと、企業内でまた業種を超えて皆で鼓舞し合う日々ですが、この努力というのはまさに守りに徹するだけの消極的な努力で、もどかしいながらもどうしようもなく、これではメンタルな部分での元気を保っていくのも困難になってきます。
 なにしろ未来を切り拓くのにもっとも重要な夢が描けないのですから、深刻です。
 そんな思いに沈んでいた私ですが、先日、勇気をもらう出来事がありました。
 出来事といっても大それたことではなく、最近立て続けに資産家の方お2人とお話をする機会があり、人と接することで、かくも心が洗われ、元気になれるものなのだと改めて発見したのです。
 人は素晴らしい人物と時間を共有するだけで、幸せになれるようです。

人との出会いがもたらす気づき

 人は財産を持つと知らず知らずのうちに傲慢になっていくものですが、今回お話したお2人は、そんなおごりの欠片もない、素晴らしい方々でした。人柄は謙虚で正直そのもの。尊大に構えるところがまるでなく、見栄を張るでもなく、自らのマイナスの面を隠すこともなく、高潔さが際立って、このコロナ禍にあってその存在が光り輝くようでした。
 もちろん平時から他とは一線を画した人物であることは承知していたのですが、現況の異常時にあって、揺るがぬ確かな人格と変わらぬ生き方には、感動を覚えてしまいました。
 この困難な状況のなかで、われわれはともすると不平不満を口にし、誰かのせいにしたくなり、誰かを非難したくなってしまいます。
 自分自身の心が小さくなり、それが当たり前となってきたところで、このような人としての本当の豊かさを持ち合わせた人物に出会うと、ふと我が身を振り返り、別の視点や今まで思いつかなかった新しい気づきを与えられます。
 コロナの世界で、一陣の風が吹き渡ったような爽やかさが心を満たして、もう少し頑張ってみよう、まだまだこの世界は捨てたものではない、という気になりました。

一陣の風になる努力

 多分、私自身もこの澱(よど)んでしまった世界で、さっと空気を入れ替える風のような存在でなければならないのだと思います。
 そんな風になるには、まだまだ修行が必要のようです。
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