希望を作り出す努力

長かった緊急事態宣言が解除され、新しい首相も決まって10月が始まりました。
本来ならば解除に喜び、新首相の打ち出す政策に期待すべきところですが、その気にならないのはやはりあまりにコロナ禍が長いせいでしょう。
不自由な生活にもすっかり慣れてしまい、緊急事態が終わってしばらくするとまた感染者が増えてしまうことが明白なだけに、心から安心する気になりません。ワクチン接種は確実に増えているはずなのに、普段の生活に戻るにはまだまだ時間がかかりそうで、このトンネルに果たして出口はあるのだろうかとさえ思ってしまいます。
広がるコロナの負の影響
それにしても新型コロナウイルスがもたらした影響の大きさには、今さらながらに胸が痛んでしまいます。貧困層は確実に広がって、かねてから懸念されていた経済的な格差は大きくなるばかりです。
デフレ脱却を目指していたはずが、いつの間にやら計画は頓挫。基準地価は全国平均で0.4パーセントも下落して、不動産を扱っている我々としては頭を抱えたくなるような状況です。そんな中で、利便性が高い一部の都市や再開発を行っているところなどでは、値上がりや横ばいをしていてその差がさらに明白になってきています。
そして、コロナ禍を背景に出産を控える動きも見えており、少子高齢化は想像を上回る勢いで加速しています。
また、酒類の提供禁止や時短営業の要請で、飲食業は立ち直れないほどのダメージを受けていることは、たいへん気の毒としか言いようがありません。
これから日本はどうなっていくのだろうと、思わず腕組みしてしまいます。
若いエネルギーに力をもらって
しかし、物事には必ず反対側の側面もあるはずです。つまりは、こんな状況のなかで逆に良かったと思える出来事もあるはず。
そう思って会社の様子を眺めてみると、ちゃんとありました。
10月1日に来年度入社予定の学生の内定式を行ったのですが、嬉しいことに5名の新卒学生を迎える運びになりました。近年は大手企業に人材を取られて、我々のような小さな企業を選んでくれる方が少ないのですが、コロナ禍で各企業が採用を減らしているせいで大変優秀な方々に内定を出すことができました。
若い方々の(マスクでよく見えないながらも)希望に満ちた表情を見ていると、こちらも心躍りファイトがみなぎってきます。
フレッシュなパワーを会社に注入することが、どれほど社内に活性化をもたらすか、その見えない影響力に感謝したいくらいでした。
小さな希望と大きな希望を胸に
それからもうひとつありました。
先の基準地価の話ですが、再開発に取り組んでいるところは下落しにくくなる傾向があるので、それを考えると我々がずっと力を注いできている本厚木駅周辺の再開発プロジェクトの動きは、やはり正しい方向性を持っていたのではと改めて思い直した次第です。
街の活性化が、地域経済と人の心をどれだけ前向きに好転させていくか。このような状況だからこそ、再開発などのアグレッシブな取り組みは一層重要になるのだと思います。
政権が変わっても、コロナ禍は続きます。諦めと忍耐の日々はまだ終わりません。
希望がなかなか見えなくなっている世の中で、希望というのはそれぞれが自分からできる範囲で作り出していくしかないのだと思います。
忍耐の日々の中でも小さな希望を胸に灯して、やがて来る新しい時代の大きな希望も見据えながら、今日という日を生きていこうと思います。