多忙を怠惰の隠れ蓑にしない
石破政権発足からほどなく行われた衆議院の解散総選挙で、与党が過半数割れになるという大敗を喫しました。政治とカネの問題を曖昧にした挙句に、総理自身の発言も二転三転したのですから、当然の結果といえます。
日ごろ政治に無関心を装っている人が目立つ日本ですが、こういうときにはちゃんとイエローカードを出すのだなあと感心したような次第です。
その厳しい結果を、うつろな目で眺めている首相の顔を見ていると、やおら不安が湧き上がってきました。こんな人たちに国の運営を任せていいのだろうか。もっとちゃんとした政治家はいないのだろうかという、もはや定番となってしまった嘆きです。
政治家の低いハードル
医師や弁護士になるためには、国家試験を合格することが第一条件になります。高い専門知識を必要とするのですから、当然のことです。
ですが、政治家には誰でも立候補することができます。
政治家も立候補資格を国家試験で合格した者に限るのはどうだろうかと思います。
法律の知識、経済の見識、国際情勢の理解、文章表現力、マナー、語学力…そうして何よりも倫理観を国家試験で問うのです。
ハードルを高くすることで、政治家の質も上ってくると思うのですがどうでしょう。
そうして、どんな罪であっても犯罪を犯した人からは資格をはく奪する。そうすると、裏金議員は誰もいなくなることになるでしょう。
夢が描ける国はどこに
いずれにしても、いまの政治がよくないことは明白で、これでは将来に夢を持とうとしても持てないということになります。
国の会計は借金だらけだし、少子化は進んで経済は縮小してきます。
地方では買い手や借り手が激減して、不動産は負の遺産である「負動産」へと転落していく未来が見えています。
物価高に苦しみながら国民は、さらなる緊縮財政で出費を抑えようして疲弊していきます。
どの政党も国民の給与を上げることを公約としていましたが、国の先行きが不安なのに企業は給与を上げることなどできません。将来を見据えて内部留保するに決まっています。
海外のように自国を信用できない世の中が、加速してきているように感じます。
企業活動を行っているわれわれも、国が頼りないからなんとか自分たちでしっかりと歩んでいかなければという気持ちになります。
将来への武器を手に入れる
そんな独立独歩の精神を胸に自分の会社を眺めてみると、中堅やベテランスタッフ、幹部は着実に力をつけてきているように思います。
あと一歩頑張ってほしいと願うばかりです。
若いスタッフはというとそれぞれ十人十色なのですが、私の不満は不動産業に携わる者の必須資格である宅建(宅地建物取引士)の試験に、チャレンジすることが常識ではなくなりつつあるという事実です。
かつてはこの資格は持っているのが業界内の常識で、持っていないスタッフは秋になるとよし今年こそはと意気込んでいたものです。
それがいつの間にやら本人主体の資格となり、かつての様子とは異なってきています。
ですが、必ずや自らの武器となる国の資格です。若いうちに自ら進んでハードルを越えて行ってほしいと思います。
忙しさに逃げていないか
最近雑誌でハッとする言葉と出会いました。
「多忙を怠惰の隠れ蓑にしてはいけない」というもので、忙しいからできないというのは理由にならない、というものです。
自分への自戒も込めて、効率を大切にし、時間を有効に使うことで、将来を生き抜くための武器を若い人にはなんとしても手に入れてほしいと思っています。