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子どもが継がない時代に負動産にしないための備え

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子どもが継がない時代に負動産にしないための備え

「親が不動産賃貸業をしているが子は興味がない」「実家はあるが子は戻るつもりがない」。こうした悩みを持つ不動産オーナーは少なくありません。不動産は残るのに担い手がいない――この課題にどう向き合えばよいのでしょうか。事業の承継も資産の相続も、「そのまま残す」以外の選択肢があります。今日からできる備えを考えていきましょう。

空き家は“相続”で生まれている


出典:国土交通省「令和元年空き家所有者実態調査」

国土交通省の調査では、2018年時点の国内の空き家数は約850万戸に達し、その取得経緯をみると約55%が相続によるものでした。相続後に活用されず、空き家になっている実態が浮かび上がっています。 さらに所有者の約3割は、空き家から1時間以上離れた遠隔地に居住しており、介護や管理の難しさが背景にあります。神奈川県内でも「介護のため親だけが自宅に住んでいる」「子どもが不動産業者に査定を依頼した」などの実例が見られます。 空き家数は増加を続け、2023年には約900万戸に達したと推計されています。相続をきっかけに、不動産が“管理されない資産”へと変わってしまうケースは決して珍しくありません。
出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」

事業承継・相続、先送りの弊害


事業の承継や相続を先送りにしてしまうと、主に次の3つの弊害が生じます。


①資産の把握が困難
まず問題となるのが、資産の全体像がつかめなくなることです。所有物件の状況、境界の確認、修繕履歴、賃貸借契約の内容、借入状況など。こうした情報が整理されていないと、いざ相続が発生した際に家族が適切に対応できません。

②相続時の対立
不動産は現金と異なり分割しにくい資産です。「売りたい」「残したい」など、相続時に意見が分かれることがあります。また、相続税の準備や施設入所費用をめぐって、親子間で認識の違いが生じることもあります。

③売却時の不利益
相続後、近隣相場や売却のタイミングを把握しないまま話を進めると、業者の提示額でそのまま売却してしまうリスクがあります。少なくとも、相場を知らないまま交渉に入ることは避けたいところです。

相談事例
介護をきっかけに、子どもが単独で不動産会社へ査定を依頼し、売却して施設に入るべきかどうかで悩まれたケースがありました。親子間で事前に方針が共有されていれば、判断の迷いは少なかったかもしれません。

 

今日からできる5つの対策

では、具体的にどのように備えればよいのでしょうか。以下の5つのステップを踏むことで、急な相続や事業承継にも備えることができます。

1.情報の集約
第一歩は、資産情報を一か所にまとめることです。いわば「不動産カルテ」をつくるイメージです。境界標の有無、修繕履歴、賃貸借契約書、固定資産税納税通知書、管理会社の連絡先などを整理しておけば、いざというときに家族が状況を把握しやすくなります。

2.資産を整理
収益性が低い物件、今後使う見込みのない実家、遠方で管理が難しい不動産などは、そのまま保有し続けるべきか見直す時期かもしれません。必要に応じて早めの売却や現金化を進めることも選択肢です。場合によっては、金融資産や管理しやすい不動産への組み換えを検討する余地もあります。

3.方針を決定
誰に何を残すのか。売却して現金で分けるのか。共有を避けるのか。こうした基本方針を、親が元気なうちに整理しておくことが重要です。方針が定まっていれば、相続発生後の迷いや対立を防ぎやすくなります。

4.意思を確認
「継ぐ意思はあるのか」「売却して親の生活費や施設入居費に充てるのか」など、不動産の扱いについて親子で率直にすり合わせを行います。ここを曖昧にしたままにすると、後に家族が迷いやすくなります。

5.共有と相談
整理した情報は、家族で共有しておくと安心です。また、不動産会社や税理士など、気軽に相談できる専門家を確保しておくと安心です。あわせて、周辺相場やネット査定を確認し、適正価格の目安を把握しておくことも、買いたたきを防ぐ対策になります。

ワンポイント
法人化という選択肢
承継の前後で法人化を検討するケースもあります。減価償却や所得分散などのメリットがある一方、設立費用や維持コストもかかるため、専門家と試算のうえ判断することが重要です。



専門家の知見と制度の活用

不動産の承継では、各種制度の活用も視野に入れたいところです。実家の売却にあたっては、一定の要件を満たせば「空き家の3,000万円特別控除」が利用できる場合があります。 また、公正証書遺言や法務局の自筆証書遺言書保管制度、家族信託などを活用することで、承継や相続をより円滑に進めやすくなります。 大切なのは、家族だけで抱え込まないこと。当社営業担当も含め、弁護士・税理士・司法書士など外部専門家の力を活用しながら、安定した承継を目指していきましょう。

不動産の承継は、相続が発生してから考えるものではなく、元気なうちから少しずつ備えていくことが大切です。方針を共有し、資産の状況を把握し、必要に応じて専門家の力を借りる――その積み重ねが、将来の迷いや負担を大きく減らします。大きな決断を急ぐ必要はありません。まずは家族で話し合うことから。早めの備えが、安心できる将来につながります。

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