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40年目の折り返し地点

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40年目の折り返し地点

   七夕の大飾りが駅前を彩り始めて夏が近いことを感じさせるこの頃、ついこの間新年度を迎えたばかりなのに、時間の流れは早いものです。
 経営サイドから見ると、7月は今年の上半期が終わって下半期が始まる月。上半期を総括したデータに目を通す日々が続き、全体的に見るとやや目標に届かないものの想定内の結果が出て、ほっと胸をなで下ろしているところです。自社の様子を確認したところで取り巻く環境を俯瞰してみると、やはり業界や社会が大きく変わりつつあるなというのが正直な感想です。

 その大きな要因としてまず挙げられるのが、あらゆる分野でのAI(人工知能)の台頭です。
 世間では中学生の天才棋士、藤井四段の快進撃に注目が集まっていますが、将棋の分野でAIが人間に勝利してしまったのは記憶に新しいところです。人間の脳が行っている知的な作業を模倣したシステムやプログラムのことを指すAI。米国の研究機関の発表では、AIの進化に伴って今後10年から20年ほどで、米国総雇用者の半数近くが職を失う可能性があるとする分析もあるようです。
 このAIの活用をわれわれの不動産業界で考えてみると、たとえば我々が日々店頭で丁寧にお客様の家族構成や生活スタイルや志向を聞き出し、相当の時間をかけてあれかこれかと最適な住まいを提案しているその業務が、そっくりそのままAIが行う日が来ないとも限りません。まさかこんなことまで…と思えるようなことも可能にするAIの技術には、やはり戸惑いを感じてしまいます。
 このAIが、どのように社会そのものを変えていくのかについては想像もつきません。昨今話題のIoTを含めてこの新しい波が社会に及ぼす影響は、インターネットやスマートフォンが普及したときとは比べものにならないほどの大きなものになるだろうと予感しています。

 もうひとつの変化は地域社会における「集中と過疎」の進行で、ここに少子化と超高齢化が加わって、とんでもなく早いスピードで二つのベクトルが真逆の方向に進んでいることを実感しています。
 つまり、国内の人口の減少とともにますます都心集中の動きが加速し、地方は過疎が進んでいき、活力がどんどん削げ落ちているように思われます。我々が地盤とする神奈川県央エリアは、なんとか人口減少は食い止めているものの、そのエリアのなかで駅前などの中心地区だけにニーズが集中し、周辺は「エリア内での地方化」が進んでいるのです。その一方だけに集中しているニーズも生産人口の減少に伴って減少傾向にあるようで、これはシビアな時代がやってきているなという印象です。
 実際に我々の業界内でも減収減益に陥る企業が出始め、縮小しているマーケットのなかでどう舵取りをしていくかが大きな問題となってきています。

 さて、そんななかで下半期を迎える私たち。
 実は当社にとって今年は創立40周年の節目の年に当たります。これまで歩んできた基盤をもとに、次の10年をどう切り拓いていくかの足場固めを行わなければならない時期になっています。しかも、いま指摘した通りの逆境経済と激変する社会のなかでの活路の創出がテーマとなっているのです。
 この激しい変化のなかでなんとか生き残っていくためには全員が一丸となって知恵を絞り、地域のお客様のために全力を尽くしていくことが不可欠となってきます。
 新しい流れの到来や逆境のなかでは、私たちの頭のなかはマイナスイメージに傾きがちです。だが、むしろこれらを前向きに捉えて、困っている方々のために AIなどの最新技術の活用しながら、今までにない斬新なアイデアを出して差別化していくことが、我々の歩む道であろうと考えています。

 次なる10年のために顔を上げて意気揚々と折り返し地点を駆け抜けていく、そんなイメージを描きながら新しい月を迎えます。

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