コロナ時計の早回し

梅開花の話題が届く一方で積雪の予報が流れる、冬と春が交錯する季節となってきました。
ところが全国の主なエリアではコロナ緊急事態宣言の真っ最中で、心の中はどんより鉛色といった状況が続いています。
今年は年明けも異例のままに過ぎていきました。
一年間の無病息災と商売繁盛を願って箱根まで出かけて、杉木立に囲まれた箱根神社に気持ちも新たに詣でてくるのが恒例なのですが、今年はそれもできずリモート参拝と相成りました。お札は郵送されてきて、神様もコロナには勝てないという不思議な事態になっていました。
コロナ禍の潮流に早乗りする
そんな中で私は年頭の挨拶としてスタッフたちに、「今年は進行しつつあるデジタルトランスフォーメーション化に、全社を挙げて取り組みたい。この変革の流れに遅れてはならず、なんとしても業界のなかで半歩先を歩むように頑張ってほしい」と語りました。
デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル化を進めていくことによって、ビジネスをより効率化し、収益性を上げていこうという試みなのですが、これはコロナ禍に見舞われている昨今においては、もはや避けては通れない流れとなってきました。
例えば、もはやお客様は来店されないものと考えて、リモートでいかに正確かつ魅力的な情報を提供し、顧客満足につなげていくか、ということを考えなければならない時代になってきた、ということです。
ではそのためにはどうしたらいいのか。
これを課題として与えて、私の年初の挨拶は終了しました。
根付くワンチームの意識
それからしばらくの間、遠くから事態を眺めていると、少しずつ色々な試みが動き出しつつある様子が垣間見えました。
そんな中で、直接デジタルトランスフォーメーションに関係はないものの、仕事の効率化という面では大変満足させられる出来事が起こりました。
というのも、当社の賃貸管理部門で人手が足りず業務が滞っている部署があったのですが、これを別の部署である賃貸営業部門のスタッフが率先してヘルプに回り、部門を越えた協力が始まっていたのです。
これはちょっと前例のないことで、現場スタッフたちが率先してその体制を作って仕事の分担を行い、奮闘している姿に感心してしまいました。
上から命令された事だけではなく、若い人はこういう事もできるんだなと驚き、なかなかやるなと見直してしまった訳です。
コロナが後押しする世代交代
コロナのような災禍は、時代を大きく早回しすると言われています。
デジタルトランスフォーメーションやリモートワークの進展がまさにそれに当たりますが、そういえばこの新型コロナウイルスに感染しても若い人たちは4分の1の人しか症状が出ないと言われています。
逆に高齢者は症状が重篤化することが懸念されていて、会社のなかでの数少ない高齢者である私はそれに怯え、消毒・手洗いを口酸っぱく言って回っています(なにしろ医療崩壊が始まっている神奈川県では、ウイルス陽性者は入院して治療を受けることができず、自宅待機に甘んじなければならないという現実があります)。
若者が元気で、高齢者は大人しくなり、コロナ時計は世代交代をも大きく早回しするのではないかと、半分嬉しく半分は寂しく考えています。