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株式会社西田コーポレーションNISHIDA BLOG計画的な建物修繕の重要性と費用捻出のポイントをご紹介

計画的な建物修繕の重要性と費用捻出のポイントをご紹介

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計画的な建物修繕の重要性と費用捻出のポイントをご紹介

長期的に建物を管理・維持するためには、適切な時期の修繕が欠かせません。しかし、「すぐにやらなくても問題ない」「入居者にとって重要ではないのでは」と、修繕が後まわしにされてしまうことも少なくありません。本記事では、計画修繕の重要性と修繕費用の捻出方法についてご紹介します。修繕を賃貸経営に組み入れることで、単年度での節税効果が期待できる点も解説します。

入居者アンケートにみる修繕の必要性

賃貸物件の入居者は、建物の修繕をどの程度重視しているのでしょうか。2020年に国土交通省が賃貸事業者向けに公開した資料によると、民間賃貸住宅への入居者が住み替え先を選ぶ際に重視した項目として、広さや間取り、家賃といった条件と並び、「住宅の状況(いたみ・劣化等)」や「住宅の維持管理」が挙げられています。 いずれの項目も、7割以上の回答者が「重視する」または「とても重視する」と回答しており、建物のメンテナンス状況が、入居物件の選定に大きく影響していることが分かります。「きちんと管理・修繕された物件であれば、安心して入居でき、長く住み続けることができる」アンケート結果からは、そうした入居者の声が読み取れます。


修繕が必要なタイミングとは

一口に建物の修繕といっても、建物本体の屋根や外壁、給排水設備、室内設備(浴室・厨房・化粧台など)と、部位によって適切な修繕時期は異なります。一般的に、建物本体については、屋根や外壁、床、共用エリア、昇降機などを対象に、約15年ごとを目安として、防水工事や塗装などのメンテナンスが必要とされています。 また、室内設備についても、水回り設備やエアコンは、使用開始から10年を超えると不具合が発生する可能性が高まるといわれています。適切な時期にメンテナンスを行わない場合、漏水や設備の不具合が発生しやすくなり、入居者の生活に影響を与え、家賃の減額や早期退去につながる可能性もあります。

計画修繕の重要性

「不具合が起きたら、その都度対処すればよいのでは」と考えられるオーナー様もいらっしゃるかもしれません。しかし近年、建築資材の価格高騰に加え、修繕や工事を担う人材不足も大きな課題となっています。設備が故障し、「すぐに対応してほしい」と要望があっても、以前のように迅速な対応が難しいケースが増えているのが実情です。さらに、突発的な修繕は、計画的に行う工事に比べてコストが高くなる可能性もあります。 一方で、あらかじめ工事の予定を立てておけば、人手や資材の手配がしやすくなります。長期的な修繕計画を持つことで、施工業者・修理業者の確保がしやすくなるというメリットもあります。また、定期的に修繕が行われている物件は、入居者にとって「安心して住み続けたい」と映り、長期入居につながることも期待できます。


修繕や点検の目安が分かる国交省セルフチェック
専門家による点検を実施すべきかどうか判断する目安として、国土交通省のウェブサイトで公開している「賃貸住宅の修繕・点検時期セルフチェック」の活用がおすすめです。ウェブ上で建物の劣化・不具合事象を写真付きで掲載しており、順番に「ある」「ない」を選択すれば、修繕実施に向けて専門家に相談すべきか、点検を実施すべきか判定してくれます。


「賃貸住宅の修繕・点検時期セルフチェック」はこちらから

修繕費用の捻出方法は?

修繕には、どうしてもまとまった費用が必要になります。定期的な修繕計画を立てる際、費用をどのように準備すればよいのでしょうか。最も確実な方法の一つが、毎月の家賃収入から一定額を積み立てておくことです。例えば、木造建て10戸のアパートで、15年後に建物本体(共用部含む)および室内設備の修繕を行う場合、約640万円の費用がかかると想定されます。これを15年間で積み立てると、月額では約3万6000円、1戸あたりでは約3600円となります。あらかじめ修繕資金を積み立てておけば、急な出費を伴うことなく、必要なタイミングで修繕を行うことが可能です。 積み立て以外の方法としては、銀行融資や修繕資金信託なども選択肢として考えられます。物件の状況や経営方針に応じて、複数の方法を組み合わせることで、賃貸経営への負担を抑えることができるでしょう。


修繕には節税効果も

建物修繕の大きなメリットの一つが、節税効果です。工事費用を「修繕費」として損金計上できる場合、単年度での節税が期待できます。例えば、年間200万円の収益があるアパートで、同じ年度内に180万円の修繕費を計上した場合、課税対象となる所得は20万円となり、税負担を大きく抑えることが可能です。 ただし、修繕費として計上できるかどうかは、工事の目的や内容によって判断されます。建物の維持管理や原状回復を目的とした補修であれば認められる可能性がありますが、建物の性能や価値を高めることを目的とした工事の場合は、修繕費として計上できないケースもあります。 実際の計上方法は、工事内容だけでなく、オーナー様の申告方法や状況によっても異なるため、詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。

「20万円・60万円」って何の数字?
20万円や60万円といった金額は、修繕費として計上できるかどうかを判断する際の目安として使われることがあります。ただし、金額だけで判断されるものではなく、工事の目的や内容が最も重要です。建物の維持管理や原状回復を目的とした補修であれば修繕費として認められる可能性がありますが、性能や価値を高める工事の場合は、金額にかかわらず修繕費として計上できないこともあります。 実際の取り扱いはケースごとに異なるため、判断に迷う場合は税理士などの専門家に確認すると安心です。

「建てる」から「活かす」賃貸経営へ

日本国内では、人口減少や少子高齢化が進む中、住宅の供給数・需要数はいずれも横ばいで推移し、空き家の増加が社会的な課題となっています。こうした状況を受け、国土交通省は2021年に公表した「住生活基本計画」において、「修繕や維持管理による建物の長寿命化」や「世代を超えて住宅を維持・活用していくこと」の重要性を示しています。 また近年は、資材価格や人件費の高騰により建築費が年々上昇しています。例えば、数年前には3000万円台だった一戸建て住宅の新築費用が、2026年現在では5000万円台に達するケースも見られます。建築コストが高止まりする今、求められているのは「建てる」から「既存の建物をより良く維持する」ことへの転換です。 賃貸経営においても、定期的な改修や修繕は物件価値の維持につながります。さらに、修繕費を適切に経費計上することで税負担を軽減できれば、将来を見据えた安定した賃貸経営も実現しやすくなります。長期的な物件運用を考えるオーナー様は、入居状況が安定している時期から計画修繕に取り組み、突発的なトラブルに備えておくことが大切です。


オーナー様から「まだ大丈夫では?」とご相談を受けることもあります。しかし修繕は、問題が起きてから考えるよりも、余裕のあるうちに計画しておくことで、費用や工事の負担を抑えやすくなります。入居者の満足度を保ち、物件の価値を維持していくためにも、修繕は賃貸経営の一部として考えていくことが大切です。私たちも、オーナー様の状況に合わせた計画づくりをお手伝いします。

修繕は、建物の状態を保つためだけでなく、賃貸経営を支える要素の一つです。 無理のない計画を立てることで、将来の負担や突発的な出費を抑えることができます。

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