次の20年への決意

風薫る5月になってきました。
鯉のぼりが空に泳ぎ、ゴールデンウイークの華やぎに満ちた時期のはずなのですが、今年は梅雨のように雨が多く、上着が手放せない肌寒い日が続いています。
世界では、イランでの戦争が集結せず中東の石油が滞って、その影響があちらこちらに出ている状況です。われわれの業界でも、塗料、接着剤、建材などの供給がストップし始めて、この状況がいつまで続くのだろうかと心配しているところです。
70年の歩みに触れて
そんななかで移動中の車の車窓から眺める木々は、濡れながらも鮮やかな萌黄色に輝き、その生命力には驚いてしまいます。
どんな老木でも春になると、例外なく若々しい新芽を吹き出す。当たり前といえば当たり前なのですが、不思議なことだと思います。
先日、ある企業の創立70周年記念のパーティに招かれて出かけていきました。
同じ業界の企業になるのですが、長きにわたって事業を継続発展させてきたその歩みに尊敬の念を抱くとともに、長年企業活動を続けていくには何が必要なのだろうかと考えてみたところでした。
そこでいろいろと調べてみたところ、意外なことがわかりました。
ロングラン企業の条件
まずは、企業を70年間存続させていくことの特異性がわかりました。
よく言われる老舗のお店、旅館などで70年以上商売が続けられているところは、全体の2.3%しかありません。法人に至っては、全体の1%にとどまっています。70年間続けていくことがいかに大変かを物語っています。
では、それらのロングラン企業に共通するのは、どんな特徴なのか。何をもってすれば、長く存続できるのか。それについての答えを探してみると、次のようなものが上げられていました。
第一に、堅実な経営を実践していることです。
いろいろな分野に手を広げるのではなく、本業に向き合うことを大切にコツコツと歩み続けている企業が、時代を超えて生き残っていくことになるようです。
次に、地域と顧客の厚い信頼を得ていることが、特徴に挙げられていました。
第三に、事業の継承がうまくいっていること。
これらが要件になるようです。
内なる敵と向き合う
これをおのが会社に当てはめてみると、第一と第二については常に本業重視を念頭に、お客さま、地域の方々、さらには地域社会への貢献をモットーに歩んできているという自負があります。
さらに第三となると、これはつい最近社長の職を譲ったばかりです。
となると、現状維持であと21年を走り抜けて70年企業へと羽ばたいていけるような気がします。
だがそれだけではないと、これは長年の経験でそう思います。
その基本を押さえつつも、何か新しいものを内側から取り入れていかなければマンネリ化という大きな敵に飲み込まれてしまいます。
基本とモチベーションの大切さ
そこで、70周年を迎えたこの企業の秘密を知るべく、いろんな方に話をうかがってみました。
すると、この会社では齢90歳を超える創業者の会長が依然として現役で活躍している一方で、全員で朝礼を毎朝行い、士気高揚を心がけているとのことでした。
あまり見なくなってしまった昭和の企業の作法ですが、この会社ならではの工夫に見えました。
春に新しい芽をつける木のように、基本を守りながら常に新鮮なモチベーションを持つ❝伝統がありながらも新しい企業❞を目指して、これから先の10年、20年を生き抜いていきたい。そのためにはどうしたらいいのか。
車窓に流れる緑を眺めながら、そんなことを考えている5月の私です。

