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知っておきたい広告看板の安全管理

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知っておきたい広告看板の安全管理

屋外看板の安全管理について

昨今、看板の落下事故が複数発生しています。事故を受けて国土交通省は全国的な緊急点検を実施し、翌年4月には「屋外広告物例ガイドライン」の改正を行い、点検を実施できる資格者に関する規定も明記されるようになりました。 近年では、神奈川県内の各自治体においても独自の屋外広告物条例を設けるなど、屋外看板に関する管理が一層厳しくなっています。 屋外に設置された看板は、日々風雨や紫外線にさらされることで、知らないうちに腐食や亀裂が生じたり、施工部分に緩みが生まれる場合があります。こうした看板が落下して第三者に被害を及ぼした場合には、損害賠償責任や刑事罰の対象となる可能性もあります。 看板を建物の所有者が設置した場合には、その責任は所有者に帰属します。また、テナントが設置した場合でも、設置面の状況や契約内容によっては、建物オーナー側にも責任が問われる可能性があります。 建物所有者(オーナー様)は、ご自身の物件に設置されている屋外広告の状態を把握し、定期的な点検とメンテナンスを行うとともに、万一の際の法的責任についても正しく理解しておく必要があります。

安全のために見える化と仕組み化

企業や店舗等の安全を確保するためには、清掃や点検、補修、さらに予算管理を含めて、「先が見える」ようにすることが大切です。そのためには、屋外広告物の許可申請(1年〜3年)を軸としてスケジュールを組み立てる方法があります。設置する際の安全だけでなく、将来に渡る安全のしくみを確立することが、事業を持続可能なものにします。



神奈川県では広告物の監視を強化
日頃から定期的なメンテナンスを



屋外広告物条例
景観法・景観条例
建築基準法
その他法令など

国や関係団体の動きを背景に、神奈川県内の各自治体では看板の設置に条例や法令の基準があります。また神奈川県広告美術協会や商店街組合と連携し、屋外広告の安全パトロールを実施しています。 袖看板(突き出し看板)では、「サビによる躯体の劣化」「看板や部品の変形・破損」「壁のひび割れ」といった点を点検しています。看板の保全は定期的なメンテナンスが大切。気がかりなことがある場合には屋外広告士や建築士など、専門の業者への依頼をおすすめします。 看板の安全管理について、より詳しく知りたい場合には、日本屋外広告業団体連合会が国土交通省など関係団体とともに発行した「オーナーさんのための看板安全管理ガイドブック」のご一読もおすすめします。

安全と魅力の両立が大切。テナント誘致の鍵

屋外看板は、定期的な点検や安全対策、必要に応じた補修工事を行ったうえで使用することで、テナントにとっても物件の大きな魅力のひとつとなります。特に空中階(2階以上)のテナントは、1階に比べて通行人からの視認性が低いため、看板が店舗への「道しるべ」となり、集客にも効果を発揮します。エントランスに各テナントの区画が分かりやすく表示されたサインや、屋外に設置された安全な看板など、視認性と安全性を兼ね備えた設備を整えている物件が、テナントからより選ばれる傾向にあります。適切な施工と点検を行うことで、安全性を確保しながら、物件の魅力を高めることができます。


所有者不明はすぐ撤去、契約書に明記を


古い物件の中には、設置者や所有者が不明な看板が残っているケースがあります。たとえば、「現在の入居者ではなく、以前のテナントが設置したまま」「原状回復されないまま次のテナントがそのまま使用している」といった状況が見受けられます。「これまで使っていたものだから」とそのまま放置してしまうと、万が一事故が発生した際に、責任の所在が不明確なために、建物オーナーが大きな責任を負うリスクが生じます。 このような事態を防ぐためにも、所有者不明の看板は放置せず、速やかに安全対策を講じるか、撤去を検討しましょう。また、テナントが新たに入居する際には、看板設置に関するルールを契約書などに明記し、「誰が設置し、誰が管理するか」を明確にしておくことが重要です。これにより、将来的なトラブルを防ぎ、物件全体の安全性を高めることができます。


今回は、屋外広告物に関する「安全管理」についてお伝えしました。ビル内の設備点検と同様に、屋外看板も定期的な確認や対策が必要不可欠です。特に屋外広告は、通行人や近隣住民といった“第三者”に影響や被害が及ぶ可能性があるため、より一層の注意と責任が求められます。近年では各自治体や地域の商店街組合などでも安全管理への意識が高まり、点検や改善の取り組みが進められています。ビルを所有・運営するオーナー様にとっても、看板を含めた建物全体の安全管理は、入居者の安心だけでなく、物件の信頼性・価値の維持にも直結します。今後も安心してビル経営を続けていくために、ぜひこの機会に現在の安全対策を見直し、「万が一」を未然に防ぐ体制を一緒に整えていきましょう。
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