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遠方より「同胞」来たる

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遠方より「同胞」来たる

 新緑が美しい初夏の季節となりました。

 吹く風も爽やかで私はこの季節が大好きなのですが、そんな心地よい薫風にのって珍しいお客様がはるばる遠方よりやって来られました。それがこの季節の爽やかさにも劣らぬ爽快な出来事で、訪問を受けたこちら側も仕事に対する意欲を改めてかき立てられたような次第です。

 

 と言いますのも

 

 その前日、親しくおつきあいをさせて頂いている方より、「四国で活躍している同業の社長さんがこちらに出てきており、明日お会いしたいと言っているのですが…」という連絡がありました。昼頃ならば調整できそうでしたので電話口にそのむねを伝えた所、それでお願いしますとのことでしたのでその人物と会う約束となりました。

 

 当日、彼は時間より少し早めに到着しました。年齢は五十歳前後、細身の体にスーツを着込み、ボストンバッグを携えたその姿を見た時、以前参加した経営者セミナーでご一緒した時のことを懐かしくも思い出しました。

 挨拶もそこそこにお話しを伺うと、「実は業界の会合で昨日から東京に来ているんですが、帰郷する前に是非とも御社を拝見したくて…」と熱い口調で語るのです。私も現在の会社の状況などをかいつまんでご説明し、店舗や本部を案内しながら新しい事業展開の話しをすると素直に感心するような表情を返してくれます。また、本部にスタッフを集合させたことのメリットについても耳を寄せてくれて、時々「写真を撮っていいですか?」と断りながら社内の様子をカシャッ! カシャッ! とカメラに収めていました。

 そのあと、なじみの和食店にお誘いして、差し向かいでの昼食となったのですが、その間にも情熱的にこちらの状況を尋ね、さらには彼の会社のことを熱く語り始めます。それがまた驚くべき内容でした。

 「今期の繁忙期には、地元国立大学の新入生を対象に1日で約140件ほどの賃貸借契約をとりました」と、彼。

 「それでは、現場が大変だったでしょう」と、私。

 「そりゃもうてんてこ舞いで上を下への大騒ぎでしたが、それ位やらにゃあかんですよ。なにしろチャンスはここに集中しているわけですから」と、彼。

 さらに、「うちもおかげさまで今年は仲間を増やして、二店舗体制・社員四十数名となりました。いやぁ、やっとここまで来ました。これからです」と、確かお会いしてからまだ二度目ということも感じさせずに、古くからの知人のように報告してくださるのです。

 

 そうこうしているうちに、飛行機の時間がせまってきます。

 「いやぁ、貴重な話を聞かせていただいて」「今度は社員を連れて研修に来させてください」などとおっしゃりながら席を立ち、「いや、美味しかった、ありがとうありがとう」と言っては店の人に名刺を配り、疾風のように帰っていかれました。彼が去ったあとにはその情熱と熱意、やる気や向上心というものの残像を、きらめく陽光のように残していってくれました。

 爽やかな人物だったなあと思うと同時に、遠く離れた地で同じように頑張っている会社がある。われわれも彼らのように真摯に努力せねばならないという励ましとなりました。

 

 今ごろ遠い四国の地で、フルマラソンを走りきる熱血社長のもと全社員が力を合わせて仕事に邁進しいることでしょう。負けてはいられないなという気持ちが高まり、そんな意欲を風のごとく吹き込んでくれた「同胞」に、感謝の思いで一杯になりました。

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