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テナントのこれから、ポストコロナの対応策

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テナントのこれから、ポストコロナの対応策

テナントのこれから、ポストコロナの対応策

オフィス向け物件は発想の転換がポイント。ワンフロアを分割して貸し出す方法とは?

新型コロナウイルス感染症の広がりにより、企業はリモートワークを増やす動きがありました。そして今年の5月から感染症の第5類への移行により、人々が戻りつつありますが、以前のような状態にはまだ至っていません。テナントの需要においても、以前のように大企業がワンフロアを一括借りするケースはほとんど見られなくなりました。また、コロナ禍で人気があったパーソナルジムや無人店舗の開業に関する問い合わせも途絶えていません。これからは「ポストコロナ」という視点で対処する必要があると考えています。NISHIDAへの最近の問い合わせ傾向は、10〜20坪程度の面積が主流です。この状況下で、ワンフロアを提供しているオーナーは今後どのように対応すべきでしょうか?今回は、需要に合った物件を提供するための一つの方法として、「ワンフロアを分割する」という手法を事例を通じて紹介していきます。


「分割済み」で募集


もともとワンフロア貸しだったところを、すでに分割して募集しているというビルがあります。分割のご負担はオーナー様になりますが、募集区画の広さが最近のニーズにマッチしていることと間口が広がるという点から、ワンフロアの頃に比べると反響数は増加傾向にあります。

「分割可」で募集

分割相談可という条件で募集を行ったところ、分割を希望されるお客様から反響が入り、成約に至ったという成功事例があります。反響後、契約の意思が固まった時点でオーナー様のご負担にて分割工事を入れたので、分割を希望されない反響が入った場合も対応可能という点が、この方法の大きなポイントとなります。空室時のリスクを分散することができるため二分割で貸した場合、退去となっても賃料収入がゼロになる可能性が低いです。一方で、テナントの希望をやみくもに聞いて分割してしまうと、分割で残った区画がずっと人気がなく埋まらないということもありえますので、メリットだけでなくにも注意しなくてはならないことがあります。
〈事例〉
●Hビル:約22坪→約8坪を分割して貸出
●Aビル:約80坪→約23坪を分割して貸出



フロア分割の注意点

①事前見積もりが必須


分割工事は、単に壁を作るだけではありません。壁を天井まで伸ばして完全に分割する場合は、電気メーターの設置、照明設備の移設、消防施設の増設などが必要になります。事前に見積もりをとるのは、費用を把握するため。工事費は貸主であるオーナー様が出すのが一般的なので、分割が条件で賃貸借契約を締結後に「費用が捻出できない」となっては、契約違反となってトラブルを引き起こしてしまうので注意しましょう。


②分割が難しい物件もある

古い物件の場合、配線が複雑に増設されているなどし、インフラ設備が整っておらず分割が難しい場合があります。建築基準法の規制や消防法などに基づいての法的問題をクリアにしないと、分割可で募集しても、実際工事ができないとなれば本末転倒です。また建物に対してテナントが増えると看板のスペースの検討も必要です。まずは分割できる物件かどうかを確認するようにしましょう。


③形状によっては分割が困難な場合も


分割する場合は、それぞれの区画へほかの区画内を通過せずに入れるよう、通路を設ける必要があります。しかし、あまりにも細長い間取りの場合は、通路を設けることが困難ということもあります。形状についても、事前に分割できるかどうかを確認しましょう。


④レンタブル比が下がる

分割で通路を取る場合、当然に専有部分の面積が減るため、レンタブル比が下がります。ワンフロア50坪で50万円(坪1万)で貸せていたところが二分割し廊下を作ることによって5坪減ったとすると20坪、25坪になり仮に賃料が同じ設定とすると45万円になります。事務所の場合は特にこの傾向が強いです。店舗の場合は面積を小さくすることで賃料単価を上げて成約出来るケースもございます。ただそれでも分割した方が成約率が上がる可能性が高く、空室が続くよりはより良い方法です。


⑤図面を用意する


最新のものが望ましいですが、竣工時のものでも構わないので、図面を用意しておくようにしましょう。図面では、電気設備、空調設備、衛生設備などの各設備情報、梁や柱の位置などが確認できます。これをもとに、分割の可否や分割可能な位置を判断していきます。


分割可能な物件の場合は、「分割済み」や「分割可」で募集すると、仲介しやすくなり、募集の門戸が広がります。各階をワンフロア貸ししているオフィスビルを所有されているオーナー様の中で、長期間の空室に悩まれている方がいらっしゃいましたら、「分割」という方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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